不確かさを残さない寸法測定方法はあるのか:製図を極める! 幾何公差徹底攻略(3)(1/2 ページ)
丸い形状の断面が真円かどうかを判定したい場合、あなたならどうする? とにかく測定個所を増やしていけば何とかなりそう?
前回は基礎的な加工の知識を確認しました。それに加えて、設計製図を行う上で、計測の知識も必要となります。特に幾何公差を指示する場合は、検査部門からの問い合わせに対応するためにも、計測機器の種類や使い方など必要最低限の知識が求められます。
筆者注:本記事で使用する写真は、雇用・能力開発機構 大阪センターのご協力の下、撮影させていただきました。
計測の種類
計測とは、「公的に取り決めた測定標準を基礎とする計測」と定義されます。製図に関係する計測とは、物理的な大きさや幾何特性、表面性状を測定することを意味します。
まずは、代表的な計測器を確認しましょう。
外側あるいは内側寸法を測定するもの
外側寸法を測定するもの
内側寸法を測定するもの
形状を測定するための基準となるもの
精密な平面は、測定物の平面と密着しやすい特徴があります。
精密定盤:一般的に鋳鉄または石で作られた盤状の構造体です。精密な平面を上面に備え、その面を測定基準(「実用データム平面」)とします。
ブロックゲージ:長方形のブロックまたは板状の端度器です。向かい合った2つの精密な平面が測定基準となります。耐久性や耐摩耗性に優れた金属やセラミックで作られます。
基準からの距離を測定するもの
3次元測定機:プローブを測定対象物の表面に接触させて、その空間座標を決定することで寸法測定します(図6)。曲面など複雑な形状の測定によく用いられます。プローブ先端のスタイラスチップを対象物に接触させて測定します。この接触式以外に、レーザー光を利用した非接触式の3次元測定機もあります。
表面粗さ測定機:先端半径2μmの触針で測定対象表面をトレースし、触針の上下動作を作動トランスなどで電気的な信号に変えて出力することで、表面粗さやうねり、そりなどの測定を行います(図7)。
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