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本格派仮想企業・上智大! 3連覇の秘密第6回全日本 学生フォーミュラ大会 レポート(4)(1/3 ページ)

今大会で3連覇を果たした上智大学チームの車両設計の秘密に迫った。各パートリーダーが登場!

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 第6回 全日本学生フォーミュラ大会では、昨年と同様、上智大学「Sophia Racing」が優勝し、前人未踏の3連覇を果たしました。

 毎年学生が入れ替わるという、学生フォーミュラ特有の環境下では技術やノウハウの継承が大きな課題です。事実、1981年にアメリカから始まった学生フォーミュラ大会では、これまで3連覇を達成したチームはありませんでした。今回の上智大学Sophia Racingの偉業は、いかに困難なハードルを克服したかという面でも、大きな意義のあるものです。


Sophia Racingのメンバー

東京大学とデッドヒートを演じる

――3連覇、おめでとうございます。まずは今年の戦績についてお話しください。


小野 泰志さん プロジェクトリーダー

小野 泰志さん(プロジェクトリーダー):ありがとうございます。学生フォーミュラ(Formula SAE)の 競技種目には静的イベント3種目と動的イベント4種目の合計7種目がありますが、今回はすべての種目において3位以内入賞を果たしました。その中で、1位を獲得した種目も4つありました。中でも車両製作の費用が制限枠内(25000ドル)で管理されているかを競うコスト種目では、昨年の17位より躍進して3位となりました。


走行中の車両

門倉章太さん テクニカルディレクター

門倉章太さん(テクニカルディレクター):今年は東京大学と接戦となり、最後の種目であるエンデュランス(耐久走行)を残す時点で7点差まで詰め寄られ、冷や汗をかきました。しかし結果的には、総合得点で1000点満点中923.28点、2位の東京大学に70点近い差をつけることができました。

 エンデュランスでは、車両が長時間の走行に耐えられるかが問われます。しかも途中まで走っても完走しないと得点にならないうえ、1000点中400点とウェイトも大きいため、慎重にレースに臨みました。途中でガス欠に悩まされたり、燃料が足りなくなったりする大学もあるようです。

 その原因としては、コーナリングに横Gが掛かり、燃料がタンクの側壁に偏ってしまって、うまく燃料供給ができないなどが挙げられます。僕たちのチームでは、事前にその点についても対策をしたうえでレースに挑みました。

打倒! 東大の作戦とは!


サインボード「ドライバーの前田さん、4ラップ目。東大に3.2秒差付けています!」:実際は下の学年のメンバーが担当する。

 エンデュランス開始直前までは、僅差だったという東大との得点差。確実に勝利するためには、小さなミスも許されません。

――エンデュランスでは、どのような工夫をしたのでしょうか。

門倉さん  コース周回を重ねるドライバーに対して「サインボード」を見せ、ドライバーに東京大学とのタイム差や周回数などの情報を伝えるようにしました。

 これはドライバーの不安を取り除き、ドライビングに集中できる環境を作ることによってレースを有利に運ぶためです。

 実際にサインボードを使用していたのは僕たち上智大だけでした。

――上智は開発体制も「企業並み」ですが、レース運びも本格的ですね!

設計チームを3つの班に分けて、じっくりと車両を作る

――マシンは年間につき1台のペースで開発・製造するとのことでした。今年の開発のポイントは?

門倉さん:マシンはSR-07で、昨年度のマシンSR-06をベースに熟成と改良を重ねた仕様となっています。

 また、僕たちのチームのマシン開発はシャシー、エアロダイナミクス、パワートレインの各班で構成されます。セクションごとに開発ポイントがあるので、詳細を各責任者に話してもらいましょう。

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