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サンプルで確かめる「CE 6.0 R2」の3大新機能ココが変わったWindows Embedded CE 6.0 R2(2)(2/3 ページ)

サンプルを見ながらWindows Embedded CE 6.0 R2で強化された「RDP」「VoIP」「WSD」について、詳しく解説します

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その2:Voice over Internet Protocol

 前回説明したとおり、CE 6.0 R2では新たにVoIPの機能追加が行われました。

 ここでは、カタログや提供されているソースコード、サンプルアプリケーションを動作させて、具体的にどのような機能が追加/変更されたのかを見ていきたいと思います。


カタログの比較

 まず、CE 6.0 R2未適用時のVoIPカタログ(画面9-1)とCE 6.0 R2適用時のVoIPカタログ(画面9-2)を比較してみましょう。

CE 6.0 R2未適用時のVoIPカタログCE 6.0 R2適用時のVoIPカタログ 画面9-1(左) CE 6.0 R2未適用時のVoIPカタログ/画面9-2(右) CE 6.0 R2適用時のVoIPカタログ

 以下に、CE 6.0 R2から新たに追加されたコンポーネント(画面9-2の赤枠)を紹介します。

Video Over IPのサポート

  • ビデオ オーバー IP 呼び出し

IP Phone向けサンプルアプリケーションの拡充

  • Phone Suite 用ボイス オーバー IP サンプル ポートレート モード リソース
  • Phone Suite 用ボイス オーバー IP サンプル リソース
  • ボイス オーバー IP 展開インフラストラクチャ
  • ボイス オーバー IP 電話アプリケーション
  • ボイス オーバー IP 連絡先アプリケーション

 「ボイス オーバー IP ホーム画面アプリケーション」と「ボイス オーバー IP 設定アプリケーション」コンポーネントは、CE 6.0 R2と以前のバージョンの両方に登録されていますが、実はサンプルアプリケーションに変更があります。

 以下でその変更点について解説します。

サンプルアプリケーション ソースコードの比較

 $(_WINCEROOT)\PUBLIC\VOIPと$(_WINCEROOT)\PUBLIC\FP_VOIPに、VoIP関連サンプルアプリケーションのソースコード、各種ライブラリが提供されています。このうち、$(_WINCEROOT)\PUBLIC\FP_VOIPが、CE 6.0 R2から新しく追加されたものです。

 また、CE 6.0 R2から「Video Over IP」をサポートしたことにより、$(_WINCEROOT)\PUBLIC\VOIPの提供ライブラリがアップデートされました。

 CE 6.0 R2未適用時のサンプルアプリケーションは$(_WINCEROOT)\PUBLIC\VOIP\OAK\PHONEに格納されています(画面10-1)。そして、CE 6.0 R2から追加/変更されたサンプルアプリケーションは、$(_WINCEROOT)\PUBLIC\FP_VOIP\OAK\PHONE配下に格納されています(画面10-2)。

CE 6.0 R2未適用時のVoIP関連サンプルアプリケーションCE 6.0 R2適用時のVoIP関連サンプルアプリケーション 画面10-1(左) CE 6.0 R2未適用時のVoIP関連サンプルアプリケーション/画面10-2(右) CE 6.0 R2適用時のVoIP関連サンプルアプリケーション

 画面10-2(CE 6.0 R2適用時)を見ると、「BOOSTRAPSAMPLE」というフォルダが追加されていますが、これは「ボイス オーバー IP 展開インフラストラクチャ」のコンポーネントが選択されたときに追加されるサンプルアプリケーションのソースコードです。

 また、「RESOURCE」フォルダは「Phone Suite 用ボイス オーバー IP サンプル ポートレート モード リソース」「Phone Suite 用ボイス オーバー IP サンプル リソース」というサンプルアプリケーションが利用するリソースDLLが格納されています。このリソースDLLには、サンプルアプリケーションが表示する「ダイアログリソース」「コントロール配置情報」「ビットマップ」などの描画リソースが格納されています。これをカスタマイズすれば、サンプルアプリケーションの外観をカスタマイズすることが可能です。

VoIPホーム画面サンプルアプリケーション

 それでは、実際にいくつかサンプルアプリケーションを動作させて、外観の違いや追加/変更機能について見ていきましょう。

 以下は、CE 6.0 R2未適用時(画面11-1、画面11-3)とCE 6.0 R2適用時(画面11-2、画面11-4)のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの起動画面とメインメニューです。

CE 6.0 R2未適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[起動画面]CE 6.0 R2適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[起動画面] 画面11-1(左) CE 6.0 R2未適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[起動画面]/画面11-2(右) CE 6.0 R2適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[起動画面]

CE 6.0 R2未適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[メインメニュー]CE 6.0 R2適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[メインメニュー] 画面11-3(左) CE 6.0 R2未適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[メインメニュー]/画面11-4(右) CE 6.0 R2適用時のVoIPホーム画面サンプルアプリケーションの[メインメニュー]

 これらの画面を比較してみると、大きく変更されていることが一目で分かると思います。

 以下に、CE 6.0 R2未適用時およびCE 6.0 R2適用時のメインメニューから操作できる項目をまとめています(表2)。

設定項目 CE 6.0 R2未適用 CE 6.0 R2適用
Do Not Disturb
Call Forwarding
Block Caller ID
Anonymous Call Block
Auto Answer
Volume Settings
Sound Settings(Ring Tones/Call Waiting Ale/Call Hold Ring Back Alert/Message Waitin Alert/Auto Answer Aleat時の音設定) Ring Tones時の設定のみ
TCP/IP Settings
Time Setting
Lin Configuration
Exchange Setting
Provisioning Settings
Auto Dial
PIN Setting
Windows Logon Setting
Contacts
Global Address
Speed Dial
Call History
表2 CE 6.0 R2未適用および適用時のメインメニューから操作できる項目

 表2のとおり、CE 6.0 R2から変更されたサンプルアプリケーションでは、多くの機能、設定項目がサポートされるようになりました。

VoIPまとめ

 このようにCE 6.0 R2からVoIPの機能が大幅に強化され、VoIPデバイスのリファレンスとして有用なサンプルアプリケーションも数多く提供されました。

 これらサンプルアプリケーション自体のカスタマイズだけでなく、リソースDLLによるUIのカスタマイズなどを有効活用すれば、開発ボリュームや期間の短縮にもつながることでしょう。次は、WSDについて解説します。

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