機械設計って、どんなことをするの?:デキるエンジニアのCAD設計(1)(2/3 ページ)
設計の概念を勘違いしているならば、CADを使う意味もなく、残業続きの日々となる。20年のキャリアを持つ技術士が、あなたをデキるエンジニアにすべく、設計の考え方を根底からたたき直す。(編集部)
暗中模索な設計、ハジマル
ある日のこと。
「おい、今日からこの製品のユニットを担当してもらうから……」
「はぁ……」
「取りあえず、製品仕様書でも読んで、すぐに設計に取り掛かってくれるか……」
「はぁ……」
……と、設計のいろはも知らない新人設計者にも、遅かれ早かれ、メイン設計担当を任される日がやって来ます。
何から仕事を始めていいのかも分からず、仕方なしに過去の設計図をまねして見よう見まねで設計を始めることになります。これは、暗闇の中で足元だけを見つめて設計を進めることを意味します。この先遭遇するであろうイレギュラーな場面に対応できなくなることは明白です。
つまり、目先だけを見て製品開発をしていたのでは、急な仕様変更やデザインレビュー(設計審査)による構造のやり直しなど突発の事態に対応できません。
忙しい業務の中で、製品開発がどのように流れ、他部門とどのようにかかわりを持たなければいけないかを理解しなければいけません。この業務の流れを体系化したものが「品質保障体系図」と呼ばれ、ISO9001※を取得している企業には必ず存在する「黄門様の印籠」です。
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品質保証体系図とは、ISO9000シリーズに定められる品質システムに従い、製品開発の流れと、開発のステップごとの責任者や必要とする管理文書を明確化したシステムのことです。
一般的な品質保証体系図を表1に示します。開発のステップごとに関連部門がどのように連携し、ステップ移行会議を経て次のステップに進むことが分かります。
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