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【問題4】 抵抗の直列接続(1):完全マスター! 電子回路ドリル(4)
抵抗を並列接続したときの合成抵抗は、“各抵抗の逆数の和の逆数”を取ります。この関係性を基に前回の宿題を詳しく解説します
【問題3】の解答
前回の宿題【問題3】は、3つの抵抗を並列接続したときの“合成抵抗”を求める問題でした。皆さん解けましたか?
それでは、解答を発表します!
この答えの求め方は、次の解説を参考にしてください。
【問題3】の解説
それでは、【問題3】の解説に入ります。
図1(a)のように、R1[Ω]とR2[Ω]とR3[Ω]の抵抗を並列接続し、この両端に電圧V[V]を加えたとき、回路に全電流I[A]が流れたとします。次に、図1(b)のようにR[Ω]の抵抗に図1(a)と同じ電圧V[V]を加えたとき、図1(a)の全電流I[A]と同じ大きさの電流I[A]が流れたとすると、並列接続された抵抗と抵抗R[Ω]は同じ働きをしていることになります。このときの抵抗R[Ω]を「合成抵抗」といいます。
図1(a)において、全電流I[A]は次のように求められます。
また、図1(b)において電流I[A]は次のように求められます。
これにより、合成抵抗R[Ω]と3つの抵抗(R1[Ω]、R2[Ω]、R3[Ω])の関係は、
となります。
ここまでの解説を基に【問題3】を解いてみましょう。
2kΩ、3kΩ、4kΩの3つの抵抗を並列接続したときの合成抵抗は?
上記の計算式から、「0.92kΩ」と求められます。
このように、抵抗を並列接続したときの合成抵抗は、“各抵抗の逆数の和の逆数”を取りますが、抵抗が2つの場合は次のように求めることができます。
この式は、「和分の積(わぶんのせき)」といって、合成抵抗を簡単に求めることができます。
次回までの宿題 ― 【問題4】
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