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モデル駆動型開発にSysML対応ツール登場!組み込みイベントレポート(1/2 ページ)

組み込みの「いま」が凝縮された展示会、ESEC。新製品・技術から最新業界動向まで、盛りだくさんのESCEで注目すべきは!?

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モデル駆動型開発ツールの動向

 組み込みシステムの大規模化、多機能化、それに伴う複雑化が急速に進む中、開発生産性や品質への要求はこれまで以上にシビアに求められている。そこで注目されているのがモデル駆動型開発である。

 日本テレロジックは、UML(Unified Modeling Language) 2.1およびSysML(Systems Modeling Language) 1.0に準拠したモデル駆動型組み込み開発環境「Telelogic Rhapsody 7.1」を出展した。同製品は、SysML 1.0(SysMLは航空・軍事産業など、比較的大規模な組み込み開発で特に注目されている)にいち早く対応し、標準化をサポートしているという。また、アジャイル開発向けのサポートやテレコム開発向けのパッケージなども提供。要求分析からテストまでのソフトウェア開発工程すべてをサポートするのが特長だ。

 UMLやSysMLで作成したモデルからコードを自動生成することが可能。また、ドキュメントの生成も可能で、HTMLやMicrosoft Word、PowerPointなど複数のファイル形式に対応しているという。

Rhapsodyの画面とロボットアームを制御している様子
Rhapsodyの画面とロボットアームを制御している様子

 ちなみに、同社は要件管理ソリューション「Telelogic DOORS Fastrak」やプロジェクトマネージャ向けのWebベース製品管理ソリューション「Telelogic Focal Point Focus on Product Management」なども同時期に発表している。


 キャッツは、「IBM Rational Rose」「Enterprise Architect」「Elapiz」などの他社製UMLモデリングツールと連動して、組み込みシステム開発を行う統合開発環境「ZIPC++」を出展。同製品は、UMLモデリングツールで作成したステートチャート図から状態遷移表(State Transition Matrix)を自動生成し、ステートチャート図では網羅し切れない「漏れ」や「抜け」を補完する。また、UMLのクラス図と状態遷移表からC++コードを自動生成できるという。


遊びから実用まで ZigBeeの守備範囲

 ZigBeeは短距離無線通信規格の1つで、赤外線とは異なり見通しの悪い空間でも信号を送ることが可能だ。また、乾電池で長期間動作可能でビルや工場、家庭内など、あらゆる分野(範囲)での利用が期待されている。

 NECエレクトロニクスは、開発プラットフォームとソフトウェア開発キットを提供することでZigBeeネットワークの構築をサポートする「ZigBeeネットワーク開発プラットフォーム」を出展し、ホテル内での温度管理デモを行った。USBメモリ型の「78K0 UZ Stick」を部屋に見立てた複数のボックスにそれぞれ配置し、内蔵の温度センサで室温を計測し、ZigBeeネットワークで管理センターまで情報を伝達するというものだ。

 ちなみに、78K0 UZ Stickは、8bitCPU「78K0/KE2」を搭載、RF通信チップにはUBEC製2.4GHz帯RF無線通信チップ「UZ2400」、USB接続でフラッシュメモリの書き換えも容易に行うことができる。標準価格で1万5750円。

温度管理のデモの様子と78K0 UZ Stick
温度管理のデモの様子と78K0 UZ Stick

 また、ソフトウェア開発キット「ZigBee SDK」を利用することでZigBeeのフル仕様に対応できるという。同製品は、ZigBee Allianceが公開するZigBee 2006 Standardに適合(2007年第2四半期予定)したプロトコルスタックライブラリを同梱。PC上のGUIからMeshネットの構築や診断、デバッグが可能とのこと。


 ZigBeeに関する面白い展示をしていたのは、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンだ。同社は、ZigBeeネットワークでマルチ・チャットを楽しむことができる「ワイヤレス・ガジェット機器リファレンスボード」を初出展した。同製品は、無線(MC13202)、マイコン、センサ(MMA7260Q)を内蔵し、LCDとブザー、キーボードも搭載。電源は、コインバッテリーを使用している。説明員は「子供向けの電子玩具に搭載される可能性がある」と語った。

実際に手に取りチャットを行うことができた
実際に手に取りチャットを行うことができた

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