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ステッピングモータの仕組みと制御のコツ:H8で学ぶマイコン開発入門(8)(2/3 ページ)
パルス電力を与えるごとに一定の角度だけ回転するステッピングモータ。3種類の制御信号、PLDとの協調などを解説しよう。
ステッピングモータの接続
ターゲットボード上で、H8/3048F-ONEのポートとステッピングモータは、図3のように接続されています。矢印の向きが信号の向きを表しています。ターゲットボードには2つのステッピングモータを接続でき、H8/3048F-ONEとステッピングモータの間にはPLD(Programmable Logic Device)があります。
図3 H8/3048F-ONEとステッピングモータの接続状態。実際のターゲットボードではPLDとモータの間にドライバICと呼ばれるものがあるが、これはPLDからの信号をモータ用の信号に増幅するためのものなので、ここでは省略してある
H8/3048F-ONEからの制御信号はCLK、CW、ENの3種類です。それぞれの信号の意味は表3のとおりです。
PLDはH8/3048-ONEからの制御信号を受けて、ステッピングモータの駆動信号OUT0〜3を出力します。OUT0〜3がどのような信号を出力するかは、図3の左下にあるDIP Switchと1回前のOUT0〜3のパターンによって、PLDが自動的に決定します。DIP Switchはステッピングモータの励磁方式を決めるスイッチで、動かすモータの仕様に合わせて、あらかじめ設定しておきます。
※コラム:PLD(Programmable Logic Device)
PLDとは、ユーザー(開発者)の手で内部の論理回路を定義・変更できる集積回路のことです。PLDの各ピンを入力とするか出力とするかという段階からユーザー側で定義でき、「1番のピンと2番のピンを入力として、その2つの入力の論理和を3番のピンから出力したい」といった設計を自由に行えます。
本連載のターゲットボードでは、H8/3048F-ONEからPLDのEN信号にLowが入力されていて、CLK入力がLowからHighになったときに、CWとDIP SwitchのMode[0,1]の入力に対応した励磁方式でOUT0〜3出力信号からモータに対して信号を出力する、という定義がされています。
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