さあ君もETロボコン2006に参加しよう:ETロボコン2006へと続く道(1)(2/2 ページ)
組み込み開発の技術スキルを向上させたいなら、迷わずETロボコンに参戦しよう。まずはどんなコンテストなのか、その概要を紹介する
ETロボコン2006参加概要
ここで3月1日に発表されたETロボコン2006の参加概要をまとめておく(表1)。詳細については「ETソフトウェアデザインロボコン」公式ページを参照してほしい。
写真2 ETロボコン2005「モデル部門」上位入賞者。チャンピオン大会に掲載されたモデル部門の上位入賞チームのモデル図。1位(エクセレント・モデル):あジャイ子2、2位(ゴールド・モデル):アルゴノーツ、3位(シルバーモデル):新潮流
参加申し込み期限は3月26日、えいやっ! で飛び込んでみたら?
本記事を読んで、初めてETロボコンを知り参加してみようという気になった方は、ぐずぐずしている暇はない。上述のように、参加申し込みの締め切りは3月27日だ。大会までのスケジュールによれば、モデル提出の締め切りは6月20日ごろなので参加申し込みから2カ月ほど余裕がある。「あれこれ悩んでいても始まらない。取りあえず申し込みだけ済ませて、お金や開発時間のことは後で考えればいいでしょう(笑)」(渡辺氏)。
モデル部門の審査委員長を務める渡辺博之氏は「ETロボコンで垣間見た、組込みモデリングにおける理想と現実」という講演(Developers Summit 2006でのセッション)で、昨年のETロボコンの結果を検証した。それによると「理想をいえば良いモデルを提出したチームは、品質・性能ともに良いはずなのだが、実際にはモデルと走行性能にはっきりとした相関関係が見られなかった」とする。予選会、チャンピオン大会ともに、モデル部門で中くらいの得点を獲得したチームの方が、総じて走行部門で高い順位を獲得しているというのだ。「まだ、その理由を十分に分析し切れていない」(渡辺博之氏)というが、組み込み分野におけるモデリングの勘所にはボトムアップ(従来型のハードを意識した開発能力)とトップダウン(モデリング能力)のバランスが必要だと推察しているようだ。「2006年のETロボコンでは、この仮説(ボトムアップとトップダウンの関係)をきちんと検証したい」(渡辺博之氏)。
組み込み開発におけるモデリングは、まだまだ歴史の浅い技術分野である。これは裏を返せば、エンジニアとしてパイオニア的な業績を残すチャンスがあるといえないだろうか。ETロボコンを通して、日本の組み込み開発を大きく進歩させる人材が輩出されることを期待したい(本連載は随時、ETロボコン関連の情報を掲載していきます)。(次回に続く)
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