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組み込みUMLを成功させる5つの鉄則とは?組み込み開発にUMLを活用しよう(2)(3/3 ページ)

UMLを組み込み開発に適用する際は、「概念モデルから着手する」「デバイスとの関係を明確に」など5つのポイントを守る

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モデル品質アセスメントシート

 良い(美しい)モデルの品質基準をチェックするため、分科会では会員企業の使用していた「モデル品質アセスメントシート」(品質保持のためのチェックシート)を参考にしています。以下に画面キャプチャを掲載しますが、そんなに目を細めても見えませんよ(笑)。参照したい方はUMTPにご参加ください。


美しいモデルの品質基準をチェックする
図5 美しいモデルの品質基準をチェックする
「モデル品質アセスメントシート」

 以上、UMLを組み込み開発に使用するポイントとして以下の5つを紹介しました。

  • ポイント1:
     初めてモデリングする際は、まず概念モデルから
  • ポイント2:
     UMLは、順序立てて開発する設計手法が重要
  • ポイント3:
     組み込み開発の場合、デバイスとの関係を明確にする
  • ポイント4:
     UMLへの取り組みは、まずは見える化の効果を求める
  • ポイント5:
     モデリングの際は、美しいモデルを求める

 冒頭で紹介したように、分科会では一度モデリングに行き詰まりました。しかし決してあきらめることはしません。必ずやり遂げるという信念があります。そこであきらめるのは簡単ですがあきらめてしまえば、それは失敗に終わってしまいます。逆に最後まであきらめずにやり遂げれば、その間のことはすべて経験につながります。われわれメンバーと一緒にモデリングしてみませんか?

番外:SoC分科会の紹介

 本編とは異なる話題となりますが、ここでSoC(ハードウェア)の取り組みを行っている「SoC分科会」の紹介をしたいと思います。

UMTP SoC分科会の紹介

 組み込み開発はソフトウェアだけでは成り立ちません。必ずハードウェアが必要です。そしていまやハードウェアもHDLなどの言語で開発される時代となりました。SoCもソフトウェアと同様に開発規模は膨大化/複雑化してきています。そこでUMTPでは、UMLでSoCの開発の取り組みを行うSoC分科会を立ち上げました。以前よりUSoCF(UML for SoC Forum)は、UMLをSoC開発に使用することを目的とするため「SoC向け拡張プロファイル」を策定しOMGに提案するなどの標準化活動を行ってきました。現在は、組み込み分科会と同じく画像処理装置という1つの題材を基に、3週間に1度集まり、要求定義からSoC実装まで実際のモデリングを行っています。

理想を目指して

 筆者がUMLに対して、組み込みソフトとSoC開発の両方に取り組んでいるのには理由があります。それは、ソフトウェアもハードウェア(SoC)もUMLで開発が行えるようになると理想の開発フローが完成するからです。UMLを使用して要求仕様からシステム開発を行い、ソフトウェアとハードウェアの分割を行います。その後、それぞれの分割されたソフトウェア、ハードウェアの設計が行えるといった開発フローが実現できます。この開発フローはアルファベットの「A」という文字に似ていることから、A(エース)ソリューションと名付けました。筆者が考えた名称で一般的に呼ばれているわけではありません。くれぐれもご注意ください(笑)。

A(エース)ソリューション
図6 A(エース)ソリューション

 組み込み開発は、ソフトウェアとハードウェアの両方がなくしては成り立ちません。両方をUMLで設計できる時代が来たら素晴らしいと思いませんか? いやきっとそうなります。もしならなかったとしても、それに代わる何かにきっと出合えます。いま、組み込みソフトウェアはUMLで開発されており、ハードウェアともようやく開発フローがつながりました。この開発フローは一歩一歩確実に進んでいきます。理想を目指して……。



 次回(第3回)は、いよいよリファレンスモデルの紹介をいたします。お楽しみに。(次回に続く)


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