ケータイで動くロボット兵?――ZMP、“50万円ヒューマノイド”発表:2足歩行ロボット(1/2 ページ)
PINOのロボットビジネスが好調なZMPが、2足歩行ロボット「nuvo(ぬーボー)」を開発。今年末には量産タイプを50万円程度で発売するという。いよいよ一般ユーザーにも手が届きそうな“ロボット兵”似のヒューマノイドとは?
ヒューマノイド(人型ロボット)の商品化は、やはりこの会社がやってくれた。
ロボットベンチャーのZMPは3月2日、2足歩行が行える小型サイズのヒューマノイド「nuvo(ぬーボー)」を開発したと発表(別記事を参照)。同日から発売が開始された初期バージョンは研究機関向けで価格も300万円と高価だが、今年末には一般ユーザー向けに量産タイプを50万円程度で発売するという。
同社は、科学技術振興事業団「北野共生システムプロジェクト」の研究成果物(ロボット)を技術移転し、商業化していくことを目指した企業で、2001年1月30日に設立。研究機関向けにヒューマノイド「PINO」を販売してきたほか、PINOに使われているロボット部品のモジュール販売、PINOのレンタル、玩具メーカーや出版社などを対象としたPINOキャラクターのライセンス事業などを展開し、設立初年度から黒字化を果たすなどロボットビジネスを軌道に乗せていることで注目されている企業だ。
そのZMPが開発した2足歩行ロボットは、こんなスタイルで登場した。
nuvoは身長(全長)39センチで体重(重さ)は2.5キロ。1歳児とほぼ同じ大きさ(70センチ、4.5キロ)のPINOに比べて、約半分程度の大きさになっている。関節の自由度は足首2/膝1/股関節3/肩1で、それぞれ両手両足2組ずつ計14関節が可動。これにより、歩行や起き上がり(あおむけ/うつ伏せ)といった動作が行える。
自由度26のPINOに比べると約半分ほどになっているが、これはコストダウンの目的以外に、部屋を自由に動き回れる“一般ユーザー向け仕様”にするため。障害物にぶつかって倒れてもすぐに起き上がれるように、最小限の機能に限定して行き着いたのが、この雄姿なのだ。
「ZMPが目指すのは、ヒューマノイドを“より身近な”ものとして商品化すること。当社はこれまで研究機関向けにPINOを30台ほど販売してきたが、やはり従来のヒューマノイドは研究目的や企業/イベントのPR用といった位置付けでだった。ヒューマノイドを低価格で提供して“より身近な製品”にすることでロボット市場を一気に立ち上げたい」(同社)
印象的な顔の部分には、27万画素のCMOSセンサーを使った“モノアイ風”カメラと、RGB各100階調を表現できる高輝度LEDを搭載している。カメラとLEDを横に配した“顔立ち”、なで肩のスタイル、平たい足のカタチなどは、天空の城ラピュタに登場するロボット兵を思わせる。
このnuvoのデザインは、フェラーリ(ロッソ/エンゾなど)のデザインを手がけた世界的工業デザイナーの奥山清行氏が担当した。
「nuvoが目指すのは“市販型”のロボット。家庭内で使ってもらうためには、安全でなければならない。ロボットではワイヤーやボルトなどを目立たせて機能性を強調するケースもあるが、そういった危険なものを関節の中にすべて隠してしまった。さらにモーターの数や関節の数など、コスト面を最初から考慮してデザインしている。またキャラクター性を持たせて、親しみやすいスタイルにした。デザインコンセプトは“サル”」(奥山氏)
ケータイを使ってロボット操作
PINOはPCを介して動作の指示を送っていたが、nuvoの操作はもっとスマートになった。
nuvoコントローラーとして、先日発売されたばかりのNTTドコモの最新ケータイ「FOMA 900iシリーズ」を利用。nuvo本体にFOMAカードが内蔵されており、FOMAのTV電話機能を使って動画を見ながらリアルタイムにnuvoを遠隔操作できる。
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