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物理ソルバーからMODSIM、AIへ SIMULIAが描く次世代の設計/シミュレーション:SIMULIA Community Conference Japan 2026(1/3 ページ)

ダッソー・システムズは「SIMULIA Community Conference Japan 2026」を開催した。基調講演では、SIMULIAブランドの戦略を支える物理ソルバー、MODSIM、AIの3層構造を紹介。エンジニアと協働するAI「バーチャルコンパニオン」や生成型設計、NVIDIAとの協業などを通じて、設計/シミュレーションの将来像を示した。

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 ダッソー・システムズは2026年9月11日、シミュレーションブランド「SIMULIA」のユーザー向けコミュニティーイベント「SIMULIA Community Conference Japan 2026」を開催した。基調講演では、Dassault Systemes SIMULIAブランド 最高経営責任者(CEO)を務めるMichelle Ash(ミシェル・アッシュ)氏が登壇し、「SIMULIA Brand Insights」と題して最新のブランド戦略と技術ビジョンを提示した。

Dassault Systemes SIMULIAブランド CEOのミシェル・アッシュ氏
Dassault Systemes SIMULIAブランド CEOのミシェル・アッシュ氏

SIMULIAの戦略を支える3つのレイヤー

 アッシュ氏が冒頭で提示したのが、SIMULIAブランドの戦略を構成する3つの階層構造である。基礎となる「物理ソルバー」から、それらを統合する「MODSIM」(モデリングとシミュレーションの統合)、そして最上位の「AI(人工知能)」へと積み上がる構造だ。

SIMULIAブランドの戦略について
SIMULIAブランドの戦略について[クリックで拡大] 出所:ダッソー・システムズ

 その根幹に位置するのが、物理法則に基づいたシミュレーションソルバーであり、「Abaqus」「PowerFLOW」「CST」「Simpack」「Wave6」などの継続的な進化を重視しているという。アッシュ氏は「コミュニティー内の一部で物理基盤への投資を減らしているのではないかという議論があるが、それは事実ではない」と述べ、現在、研究開発部門に所属する約800人のうち、半数に当たる約400人が物理基盤とソルバーの強化に従事していることを強調した。

 また、「産業界において高精度なAIを実現するには、その根幹に正確な物理法則が不可欠である」(アッシュ氏)とし、高度なソルバーによって導き出されるシミュレーション結果が、上位の階層に位置するMODSIMやAIを機能させるための原動力になると位置付けた。

 この物理ソルバーを基盤とし、CADによるモデリングとCAEによるシミュレーションの能力を高めながら、両者を結び付けるアプローチが、第2層のMODSIMである。

 MODSIMの狙いは、設計者がリアルタイムに自らの設計を検証し、現実世界でその設計がどのように機能するかをその場で把握できるようにすることにある。これにより、後工程で解析専任者が評価する際にも、設計や機能が要求を満たすという高い確信を持ってプロセスを進めることが可能になるという。同社では約150人の人員を投じてMODSIMの機能強化を進めており、アッシュ氏は「既に多くのユーザーで目覚ましい改善が見られている」とアピールした。

 そして、この確固たる物理基盤とMODSIMの上位に位置付けられるのが、第3層のAIである。アッシュ氏は、単なる技術トレンドとしてのAIではなく、実際のモノづくりや設計現場での利用に耐え得る「産業化」を見据えた独自アプローチの重要性を語り、同社が提唱する長期ビジョン「3D UNIV+RSES」構想について言及した。

バーチャルツインをつなぐ「3D UNIV+RSES」構想

 多くの製造業にとって、バーチャルツインは自社製品単体の仮想モデルを指すことが多い。これに対し、3D UNIV+RSESは複数のバーチャルツインをシームレスに結び付け、製品が製造プロセスやサプライヤーの部品、さらには他社製品とどのように相互作用するかまでを包括的に理解/検証できる環境を目指す構想である。

 例えば、自社製品を落としたり、加熱したりした際の実世界での挙動だけでなく、サプライヤーから調達する原材料や部品のバーチャルツインとの連動、工場における製造プロセスの最適化、市場で消費者が使用する際の状況、さらには耐用年数経過後の回収/リサイクルに至るまで、製品のライフサイクル全体を1つの“ユニバース(全体像)”として捉えるという。

「設計段階で製品を取り巻くこれら全ての要素を俯瞰できるようになれば、製品コストの削減や開発サイクルの短縮、顧客要求を最適に取り込んだ製品開発が可能になる」(アッシュ氏)

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