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日野と三菱ふそうは真に一体になれるのか、「ARD8」がR&D統合を推進する:イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

ARCHIONは、同社傘下の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの研究開発機能の統合に向けた取り組みについて説明した。

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 ARCHIONは2026年10月19日、東京都内で会見を開き、同社傘下の日野自動車と三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)の研究開発機能の統合に向けた取り組みについて説明した。ARCHIONが発足した同年4月1日付で、同社 取締役 製品・開発・調達本部長 CTOの小木曽聡氏の直下に両社からそれぞれ4人のメンバーが参画するARCHION R&D 8(通称ARD8)を立ち上げ、中立的な立場から両社の研究開発機能の連携と全体最適に向けた活動を加速させている。

会見に登壇したARD8のメンバーとARCHION CTOの小木曽聡氏
会見に登壇したARD8のメンバーとARCHION CTOの小木曽聡氏。左から、組織担当の上田悠樹氏(三菱ふそう)と栗田志朗氏(日野)、設備担当の有馬昭彦氏(三菱ふそう)と田上佳弘氏(日野)、小木曽氏、プロセス担当の久保田修二氏(三菱ふそう)と端本健氏(日野)、技術ロードマップ担当の小関哲郎氏(三菱ふそう)と野村隆氏(日野)[クリックで拡大]

CTOの小木曽氏「研究開発の統合が一番難しい」

 ARCHIONは2026年4月1日、商用車メーカーの日野自動車と三菱ふそうの経営統合によって設立された持ち株会社である。小木曽氏は「ARCHIONグループのミッション『人と物の移動をつなぎ、ともに豊かな未来を創る』、ビジョン『この先の道をともに歩み続ける、信頼のパートナー』を実現するためには、日野と三菱ふそうがともに前に進んで行かないといけない。その中でも研究開発の統合というのが一番難しいといわれており、その活動を担っているのがここにいるARD8のメンバーだ」と語る。

「ARD8」の立ち上げの背景
「ARD8」の立ち上げの背景[クリックで拡大] 出所:ARCHION

 日野自動車と三菱ふそうは、ARCHIONへの経営統合に向けた相互理解と協業の土台作りとして両社開発部門の交流を積み重ねてきた。その交流の中で、開発部門における経営統合に向けて必要になると考えられていたのが、重要なテーマで両社の方向性を合わせることと、中立的な立場から両社の連携を推進する役割だった。そこで、経営統合初日の4月1日付で結成されたのがARD8である。

 ARD8で技術ロードマップを担当する日野自動車の野村隆氏は「ARD8では、両社の開発をつなぎ、強みを融合してシナジーをリードすることを目指している。その役割は3つある。1つ目は『方向性を合わせる』で、シナジー創出に向け両社共通の方向性を示していく。2つ目の『両者をつなぐ』では両社の意見や強みをつなぎ、課題解決を推進する。そして3つ目が『全体最適を導く』で、中立的な立場から両社の協業を促進する。そして、この役目を担う中でも、稼働を止めない、地球に優しいなど顧客への提供価値を忘れず大事にすることが重要だと考えている」と説明する。

「ARD8」が目指す価値と役割
「ARD8」が目指す価値と役割[クリックで拡大] 出所:ARCHION

 8人のメンバーで構成されるARD8の活動は、「技術ロードマップ」「プロセス」「設備」「組織」の4つを柱としている。各柱の活動について、日野自動車と三菱ふそうの出身者が1人ずつ担当することで、ARD8の3つの役割を実現できるような仕組みになっている。

「ARD8」の活動を支える4つの柱
「ARD8」の活動を支える4つの柱[クリックで拡大] 出所:ARCHION

 「技術ロードマップ」では、両社の技術を融合/進化させ、単独では実現できない新たな価値の創造を可能にすることが使命となる。検討対象は、ディーゼルエンジンやトランスミッションなどの既存技術から、先進のCASE(コネクテッド、自動運転化、シェアリング/サービス、電動化)領域まで幅広い。現在は、両社がもともと持っていた技術ロードマップの突き合わせや、強み/競争力の相互評価といったStep1が完了し、Step2に位置付ける統合技術/プラットフォームの具現化に取り組んでいるところだ。また、Step3のOne R&Dによる商品開発も一部取り組みが始まっているという。

「技術ロードマップ」の取り組み内容
「技術ロードマップ」の取り組み内容[クリックで拡大] 出所:ARCHION

 「プロセス」では、両社の開発プロセスの強みを取り入れた、ARCHION共通の開発プロセスを構築することを目標としている。統合した開発プロセスは、「技術ロードマップ」にも出てくる統合プラットフォームによる製品開発に適用していくことになる。ここで重要になるのが、日野自動車と三菱ふそうの個社それぞれで開発プロセスを調整するのではなく、最初から一緒に考え、アイデアを出し合い、シナジーを創出し、互いに学び合うというスタンスである。現在は、この一緒に考えるという取り組みは順調に進んでおり、互いのことがよく分かってきているからこそ、共通の開発プロセス構築の難しさを実感しているとのことだった。

「プロセス」の取り組み内容
「プロセス」の取り組み内容[クリックで拡大] 出所:ARCHION

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