年10億円生むパナソニック物流改革、「首都圏再編」の全貌を仕掛け人に聞く:パナソニック 国内物流革新の最前線(後編)(1/3 ページ)
単なる拠点の集約にとどまらない、パナソニックグループの国内物流革新。後編では、事業部ごとの「サイロ化」を打破して年間10億円以上の合理化を生み出した戦略の裏側に迫る。次なる再編の舞台「首都圏プロジェクト」の全貌と、2年がかりの“異文化統合”をけん引したパナソニック オペレーショナルエクセレンス 執行役員の安藤健太郎氏への独自インタビューを交えて詳説する。
パナソニックグループは、京都府京田辺市に新たな物流拠点「国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点」を開設した。前編では、グループ共用倉庫として世界最大規模となる11万1688m2の床面積を有し、GTPシャトルや移動棚などの先進的な設備による高度なオペレーションを実現している同拠点の全貌について紹介した。
しかし、この巨大拠点の開設は、単に老朽化した倉庫群を1つにまとめただけの物理的な移転ではない。その根底には、事業部ごとに分断されていたグループ全体の物流網を根本から見直し、事業の競争力を底上げするという戦略が秘められている。
本稿となる後編では、2026年9月16日に開催された説明会の内容と、MONOistが独自に行ったパナソニック オペレーショナルエクセレンス 執行役員 物流担当 兼 物流本部長の安藤健太郎氏へのインタビューを交え、物流革新の裏側と、次なる「首都圏プロジェクト」の全貌を詳説する。
事業部ごとの「サイロ化」を打破せよ――関西統合の第一歩
パナソニックグループは2022年4月の事業会社制への移行に伴い、経理や情報システム、物流などの専門機能を横断的に担うパナソニック オペレーショナルエクセレンス(通称:PEX)を設立した。安藤氏はPEXの物流本部の役割について「事業会社単独では難しい、輸出入のグループ一元化や国際物流の集約交渉など、物流改革ソリューションプラットフォームの運営を担っている」と語る。
これまで国内の輸配送網は、事業会社や製品カテゴリーごとに個別の倉庫を契約し、独自のルールで手配を行っていた。そのため同じ納品先に対して異なる事業部のトラックがそれぞれ向かうといった事象が生じており、労働力減少や物流コスト上昇といった社会課題を見据えた全体最適化が急務となっていた。
この課題を打破し、グループ全体の物流網を全体最適化する取り組みの第一歩が、関西エリアにおける拠点の集約である。これまで関西に点在していた老朽化倉庫を含む9つの拠点を京田辺の1カ所へと統合した。
新拠点では、照明器具や配線器具、エアコン、給湯器といったB2Bソリューション領域の商材に絞って取り扱いを集約している。領域を絞った理由について、安藤氏は「ターゲットを限定して枠をはめることで、商品の標準化や機械化を進めやすくする狙いもある」と語る。
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