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工場を「プロフィットセンター」に変える、実践的MES導入のススメ製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

エンジニアリング協会は、書籍「実践的MES導入ガイド〜製造実行システムが工場を強くする」の刊行記念シンポジウムにおいて、製造業におけるMES(製造実行システム)利用の重要性を訴えた。

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この記事の3行要約

  • エンジニアリング協会が「実践的MES導入ガイド」を新たに出版
  • 製造指図を正確に伝える工場の「神経系」としてMESが重要
  • MESの本質は指示情報と実績情報の組み合わせにある

 エンジニアリング協会は2026年9月8日、東京都内で書籍「実践的MES導入ガイド〜製造実行システムが工場を強くする」の刊行記念シンポジウムを開催し、製造業におけるMES(製造実行システム)利用の重要性を訴えた。

なぜ「製造指図」がMESの鍵となるのか、ラーメンで解説

 エンジニアリング協会では2018年から「次世代スマート工場」研究会を主宰しており、2024年にはMES/MOM導入促進を目的とした「MES/MOM導入のための標準業務一覧」を発表するなど、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けて精力的に活動してきた。

 エンジニアリング協会 次世代スマート工場研究会 幹事を務め、同書の編著者でもある日揮の佐藤知一氏は「もし工場で、『人手不足』『(顧客の)品質要求が高い』『多品種を生産している』の内の2つ以上があてはまるならMESが有用になる」と語る。鍵となるのは、「製造指図」だ。

 例えば多品種を生産しているなら、需要変動に機敏に対応しなければならない。また、人手不足に困っている工場において、人手作業の自動化は不可欠となっている。さらにサプライチェーンが複雑化する中で、万が一不良品が発生した際の素早い原因特定も求められている。製造現場を取り巻くこれらの課題に対して、佐藤氏は「全て製造指図にひも付いている」と指摘する。

日揮の佐藤知一氏
日揮の佐藤知一氏

 佐藤氏は製造指図について、食堂での注文を例に解説した。客が「ラーメン」を注文し、スタッフが厨房のメンバーに「ラーメン1丁」と伝えるとする。「この段階ではまだ、何の製品が何個必要かという受注オーダーまたは生産オーダーにすぎない」(佐藤氏)。

 ラーメンを作るために、誰がスープや麺、具材を準備するのか、それらの調理はどのように行うのか、その際の鍋の温度は何℃なのかなど、個別具体的な指示が製造指図に当たる。

「熟練の調理人が働く店なら生産オーダーだけで現場は動く。だが、もし熟練していないスタッフも使って、さまざまな料理を提供しようとするなら、製造指図を現場に伝え、その通り作業しているのかを追う必要がある。非熟練者は、製造指図がないと効率的に働けない。MESは、この製造指図を現場に伝えるシステムに当たる」(佐藤氏)

MES/MOMの位置付け
MES/MOMの位置付け[クリックで拡大]出所:エンジニアリング協会

 そして佐藤氏は人手不足、高い品質要求、多品種生産の現場では製造指図を人間やロボット、AGV(無人搬送車)などの自動化設備へ正確に伝え、製造現場の4M(Man、Machine、Material、Method)をモニタリングする「神経系(OS)」としてMESが不可欠であるとする。

 「今、日本にある多くの工場が『守りの工場』だ」と佐藤氏は話す。長年、工場はコストセンターと見なされ、コストダウンが求められてきた。そしてコストダウンには際限がない。設備投資は減価償却コストの元になるため、コストセンターである工場にはなかなか投資権限が与えられず、プロフィットセンターの言う通りに動くことが求められてきた。

 このコストセンターという認識を脱する手段として、佐藤氏は「工場が自身の余力を判断できるようになること」を挙げる。「今もしくはこの先どれくらいの余力があるかを本社側に伝える。そうすれば、本社側も今どんな手を打てばいいのか、余力をどう生かせばいいのかを考えられるようになり、工場は初めてプロフィットセンターとなる。それも神経系(MES)がなければ実現できない」(佐藤氏)。

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