「優しい災害救助」が社会実装へ――「レスコン2026」で見えた技術と人の成長:ロボットイベントレポート(1/3 ページ)
2026年8月8〜9日、しあわせの村 体育館(神戸市北区)で「大塚化学POTICON杯 レスキューロボットコンテスト2026」が開催された。26回と長い歴史を積み重ねてきたレスコンで育った技術と人は、現実の災害対応にどうつながっているのだろうか。
1995年の阪神・淡路大震災を契機として始まった「レスキューロボットコンテスト(以下、レスコン)」は、災害対応ロボットの技術を競うだけでなく、「人をどう救うか」を考える場でもある。
同イベントの実行委員長を務める二井見博文氏は「実際の災害現場とレスコンにはまだ大きな隔たりがある」としつつ、「その隔たりがあるからこそコンテストを継続し、一歩ずつ前へ進むことに意義がある」と語る。レスコンで育った技術と人は、現実の災害対応にどうつながっているのか。2026年8月8〜9日、しあわせの村体育館(神戸市北区)で開催された「大塚化学POTICON杯 レスキューロボットコンテスト2026」から、その現在地を追った。
「速く助ければいい」ではないレスコン
レスコンの競技フィールドには、倒壊した建物やガレキ、階段などが再現される。参加チームは複数のロボットを遠隔操作し、ガレキの撤去、ガス栓の閉鎖、要救助者の捜索、救助、搬送などのタスクに挑む。
2026年大会では、これまで青と赤の2つのフィールドを使って2チームが同時に競技していた方式を改め、1チームずつの競技になった。観客が1チームの救助活動に集中して見られるようになった他、階段には踊り場が新設され、機体の走破性能や操作技術がより問われる構成になった。
以下に挙げる大会中に撮影した競技中の写真を見ていくと、ロボットが被災地へ「出動」し、ガレキを越えて進み、障害物を撤去し、ガス栓を閉じ、要救助者役のロボット「ダミヤン」を発見/救助して安全な場所まで搬送するという一連の流れが分かる。同じタスクでも、クローラで階段を上る機体、脚型機構で段差を越える機体、複数のロボットが連携してダミヤンを救助するチームなど、解決方法はさまざまだ。
操縦者はフィールドを目視できないオペレーションルームからロボットを遠隔操作するため、ロボットから送られる映像やセンサー情報を頼りに状況を判断しなければならない。実際の災害現場で、人が危険区域へ入らずに調査や救助を行うことを想定した競技設計である。
ただし、レスコンは単純に救助の速さを競う大会ではない。競技では、要救助者役のダミヤンを乱暴に扱うと警告の対象になる。会場のスクリーンにはタスクの達成状況だけでなく、ダミヤンが受けたダメージもリアルタイムで表示される。「ただ速いだけではいけない。被災者に寄り添う優しい救助が重要」と競技解説でも強調された。
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