日本製造業の固定資産はどれだけ多い? 国際比較で見えた“重い構造”:小川製作所のスキマ時間にながめる経済データ(50)(2/3 ページ)
ビジネスを進める上で、日本経済の立ち位置を知ることはとても大切です。本連載では「スキマ時間に読める経済データ」をテーマに、役立つ情報を皆さんと共有していきます。今回は、日本の製造業の固定資産について分析します。
製造業の建物/構築物の国際比較
ここからは、製造業の固定資産残高について、種類別に国際比較をしていきます。基本的には固定資産残高が多い方が、生産能力が高く、付加価値を稼ぎやすい状況を意味します。
ここでは、労働者1人当たりの金額水準と、対付加価値の2種類で国際比較していきます。まずは、工場やオフィスビルなどの建物/構築物からです(図2、図3)。
建物/構築物については、労働者1人当たりでも、対付加価値比で見ても日本(青)は主要先進国の中で非常に高い水準を維持していることが確認できます。特に対付加価値比では100%前後と圧倒的で、同じく工業の盛んなドイツが20%台であるのと対照的です。日本の製造業では、建物や構築物への投資が多く、その資産価値がかなり蓄積していることになります。
新しい工場を建てることが多かったり、個々の建設費用が高かったりするなど、建物/構築物の固定資産残高がかさみやすい要因もあるかもしれません。日本では中小製造業でも新社屋や工場を建てることが多いですが、他国では既存の建物を活用することも多いようです。
いずれにせよ、日本の製造業では建物への投資が多く、その資産価値がかなり蓄積されているのが大きな特徴といえそうです。これだけ蓄積しているわけですから、その維持費用ともいえる固定資本減耗(≒減価償却費)が大きいのも理解できます。
製造業の機械/設備の国際比較
固定資産残高が高いのは建物/構築物だけでしょうか? その他の固定資産についても、国際比較して確認してみましょう。
次は、製造業における生産体制の根幹ともいえる機械/設備について見ていきます(図4、図5)。
機械や設備の残高を見てみると、建物や構築物ほどではありませんが、日本は相対的に高い水準を維持しています。労働者1人当たりの金額水準では米国やイタリアと同程度で高水準が続いてきたことが確認でき、2024年でもドイツやフランス、英国よりも高い水準です。また、対付加価値比ではイタリアに次いで高い水準です。
機械/設備ではイタリアが際立っているのが特徴的です。前回紹介した投資の種類と規模でも、イタリアの機械や設備への投資規模が大きいのが印象的でした。イタリアの製造業の特徴として特に機械/設備への投資が多いということがいえるのかもしれません。
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