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フィジカルAIに注力するインテル、組み込み市場での約40年の実績を生かせるかインテル・ロボティクス・ワークショップ2026【前編】(1/3 ページ)

「インテル・ロボティクス・ワークショップ2026」のレポート記事をお送りする。今回の前編では、インテルのロボティクス/フィジカルAI戦略に関する基調講演や、ソフトウェアベースのモーションコントローラーを提供しているモベンシスの取り組み事例などについて紹介する。

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 インテルは2026年7月23日、同社のロボティクス/フィジカルAIソリューションを紹介する自社イベント「インテル・ロボティクス・ワークショップ2026」を東京都内で開催した。講演やデモ展示を通して、インテルのAI PC向けプロセッサ「Intel Core Ultra シリーズ3(開発コード名:Panther Lake)」をはじめ、ロボティクスやフィジカルAI(人工知能)を支える最新テクノロジーと事例が紹介された。

 今回の前編では、インテルのロボティクス/フィジカルAI戦略に関する基調講演や、ソフトウェアベースのモーションコントローラーを提供しているモベンシスの取り組み事例などについて紹介する。

「Intel Core Ultra シリーズ3」を搭載する評価ボード
「Intel Core Ultra シリーズ3」を搭載する評価ボード[クリックで拡大]

「Core Ultra シリーズ3」がフィジカルAIに変革をもたらす

 インテルはフィジカルAI向けソリューションをハードウェア/ソフトウェアの両面から展開している。Core Ultra シリーズ3は、 CPU、GPU、NPUを単一のSoC(System on Chip)アーキテクチャに統合し、最大180TOPSのAI演算性能を提供する。従来は「AI推論用」と「ロボット駆動制御用」の2つのコンピューティング構成が必要だったが、これを1枚のボードに統合することで、TCO(総所有コスト)の削減と省電力化、ms単位の低遅延な制御を実現した。データセンターや巨大なAIモデルのリアルタイム処理に強みを持つNVIDIAに対して、インテルはエッジでの活用を見据えた省電力性能を訴求している。

 ソフトウェアでは開発と現場導入のギャップを埋めるスタックに注力している。「OpenVINO Physical AI」は、ロボットごとに個別の制御パイプラインを構築する手間を減らすオープンソースのロボティクスライブラリである。カメラ、センサー、アクチュエーターの統合APIを共通化し、異なるタイプのロボット間でもコードを最大限再利用できる。

 データの収集、モデルのファインチューニング、最適化、検証をシームレスに行える開発ツール「Physical AI Studio」は、視覚/言語/行動を統合したVLAモデルの効率的な模倣学習を可能にする。ロボットごとに個別設計が必要だった従来の複雑性を解消し、工場や倉庫、医療現場などへ「低コストかつ迅速に大規模展開できる基盤の提供」を中核に掲げている。

「インテル・ロボティクス・ワークショップ2026」ではパートナー企業による展示も行われた
「インテル・ロボティクス・ワークショップ2026」ではパートナー企業による展示も行われた[クリックで拡大]

40年を超える産業向けコンピューティングの実績

インテルの大野誠氏
インテルの大野誠氏

 インテル 代表取締役社長の大野誠氏はイベントの冒頭、「インテルに『ロボット』のイメージを持っていない人は多いと思う。だがわれわれは40年を超える産業向けコンピューティングの実績を積んできている」と述べ、ロボットを取り上げた15年以上前の同社のCMを紹介した。

 そして「いずれはロボットが自律するというイメージを持って研究開発を進めてきた。今その時代が目の前に来ている。現在はAIのほとんどはクラウド上で処理されている。処理に使われているのはほぼGPUだが、開発環境は限定的なエコシステムにとどまっている。AIは非常に大きな性能を必要とする。電力問題、コスト問題などもあるが今はパフォーマンス重視となっている。だが将来はソブリン型、エージェント型、フィジカル型へと進化しようとしている」と語った。

 そしてコンピューティングの方向性について「クラウド型からエッジ型に変わっていくのではないか」(大野氏)と話を続けた。「GPU、CPU、NPUなどのアクセラレーターを組み合わせた世界が今後は広がっていく。よりオープンなエコシステムを構築していく必要もある。性能だけではなく消費電力性能、コスト、セキュリティ、安全性が非常に重要になっていく。また、産業ごとにニーズは異なる。それぞれに合ったソリューションを最適化していく。そこに新たなチャンス、オポチュニティがあるだろうと考えている」と述べた。

 講演では中国Unitreeのヒューマノイド「G1」にCore Ultra シリーズ3を搭載したロボットも紹介され、大野氏は「オープンな環境を一緒につくっていこう」と来場者たちに呼びかけた。

「Core Ultra シリーズ3」を搭載したUnitreeの「G1」
「Core Ultra シリーズ3」を搭載したUnitreeの「G1」[クリックで拡大]

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