NECがPLM「Obbligato」を刷新 「ものづくりマスター」で迅速な経営判断を支援:製造ITニュース
NECは、PLMソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」を刷新した「Obbligato R5」の提供を2026年10月に開始すると発表した。販売目標は今後の3年間で100社、価格(税別)は、利用ユーザー1000人の場合で月額580万円からだ。
NECは2026年7月28日、PLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」を刷新した「Obbligato R5」の提供を同年10月に開始すると発表した。販売目標は今後の3年間で100社、価格(税別)は、利用ユーザー1000人の場合で月額580万円からだ。
Obbligato R5はエンジニアリングチェーンとBOM(部品表)管理をより発展させ、モノづくり全体で分断/重複していたデータの循環を実現し、AI(人工知能)の活用や環境BOM/含有化学物質などの環境情報との連携を強化可能だ。
Obbligato R5はBOMやBOP(工程管理表)といったモノづくりの基準情報を「ものづくりマスター」として中核に捉えることで、各工程の情報が循環する「ものづくりマスター基盤」として機能する。Obbligatoに基準情報を一元化することで、エンジニアリングチェーンやサプライチェーン、サステナブルチェーンなど5つのチェーン全体のデータを正確に統制できるようになる。
さらに、ERP(統合基幹業務システム)やMES(製造実行システム)、IoT(モノのインターネット)などの基幹システムや生産現場の実績データと連携することにより、設計段階の計画と現場実績との差を可視化して分析可能だ。基準情報を起点として、5つのチェーン全体でデータが循環することで、現場の改善だけでなく全社レベルでの持続的な経営改善を強力に推進する。これにより、経営判断の精度とスピードを大幅に高め、モノづくり変革を支援する。
Obbligato R5は新たな基盤アーキテクチャを採用した。これにより、大規模な改修作業をすることなく常に最新の状態で利用できるバージョンアップ不要な基盤を実現している。この仕組みにより、システム更新が巨大なプロジェクトになることを防ぎ、新機能の追加や周辺システムとの連携をスムーズに実行可能だ。
また、各工程を高度化する業務機能を年数回のサイクルで順次リリースする予定であり、顧客はさまざまな状況に応じて必要な機能をいつでも追加/拡張できる。サブスクリプション方式を採用することで初期投資を抑え、IT投資の平準化や運用負荷の低減も実現する。
加えて、NECが2026年秋に提供を予定しているCMP(Chemical and circular Management Platform)アプリケーションとObbligato R5を連携させることで、サプライチェーン全体の含有化学物質情報を一元管理が可能だ。これにより、トレーサビリティーの確保や環境法規制対応の効率化に加え、リスクの低減や環境対応における競争力強化につながる。モノづくりにおけるさまざまな工程のデータに対応しているため、化学品メーカーから部品/製品メーカーまで、幅広い企業で活用できる。
近年、地政学リスクによるサプライチェーンの不安定化や顧客ニーズの多様化による製品/業務の複雑化、人材不足による技能伝承の課題など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。さらに、DPP(デジタルプロダクトパスポート)に代表される環境規制の強化によって、製品ライフサイクル全体を通じた情報管理やトレーサビリティーの重要性が高まっている。
このような背景から、モノづくりにおける全体最適化やデータに基づいた速やかな意思決定が重要となっている。一方で、従来のシステムは更新のたびに大規模な改修作業やコストが発生し、事業成長や変化への対応を阻害するITの負債化が課題となっていた。
NECはこのような課題を解決するためにObbligatoを刷新し、抜本的な機能強化を実現した。これにより、従来はシステムごとに分散していたデータについても工程を横断してつなげられるようになり、データドリブン経営を全社レベルで支援する。さらに、AIの積極的な活用や環境規制対応の強化を通じて、企業の持続的な成長も後押しする方針だ。
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