AIが持つ「光と影の側面」とは何か 日本オラクルが2027年度の事業戦略を公表:製造ITニュース(1/3 ページ)
Oracle(オラクル)の日本法人である日本オラクルは2026年度(2026年5月期)の振り返りと新年度となる2027年度の事業戦略について説明した。同社はミッションクリティカルシステムのクラウドリフトを支援しつつ、AIが持つ「光の側面(メリット)」を最大限に引き出し、「影の側面(脅威)」へ対処するセキュアな基盤提供に注力する。
Oracle(オラクル)の日本法人である日本オラクルは2026年7月7日、東京都内で会見を開き、2026年度(2026年5月期)の振り返りと新年度となる2027年度の事業戦略について説明した。
2026年度の実績と日本における事業展開
オラクルの2026年度の実績は、グローバルで総売上高が10兆8000億円(前年同期比16%増)であった。同年度の第4四半期の契約済み受注残(RPO)は102兆円(同363%増)となり、今後大規模な売り上げ計上が見込まれている。
日本国内における売上高は2850億円(前年同期比8.2%増)、営業利益は897億円(同3.4%増)、当期純利益は635億円(同4.6%増)となり、通期として過去最高の業績だった。日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏は「グローバルの伸長率と比べると日本は低くなってしまうが、それでも事業を順調に伸ばしている。特に日本においてはオンプレミス事業が好調であった」と語る。
日本市場においては、新しくオラクルのCEOに就任したマイク・シシリア氏が2026年4月に日本の首相の高市早苗氏を表敬訪問した際に、2024年4月にオラクルが発表した日本に対する80億ドルの対日投資の継続やさらなる投資を進めるとの意向を示している。「われわれにとっても非常にポジティブな訪問になった」(三澤氏)。
日本オラクルは日本におけるミッションクリティカル領域のクラウド化支援を進めている。代表的な事例としては、KDDIがミッションクリティカルシステムをオラクルのパブリッククラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」へクラウドリフトし、インフラコストと人件費の大幅な削減を実現した。これにより、KDDIは生まれた資金をAI(人工知能)投資へ回すとともに、IT部門の構造変革も進めている。
三澤氏は「日本のIT企業における最大の課題は、ITの投資構造にある。例えば、10億円のITプロジェクトがあった場合に、このうちのほぼ9割を人件費に持っていかれているのが日本のIT企業の実情だ。また、数々のアプリケーションを外部に委託して製作するなどして、自社IT部門の弱体化が進んでいる。KDDIの事例のようにIT部門自体の力を取り戻すために、クラウドリフトによるIT投資構造/IT部門の変革に貢献できたことは、われわれにとっても非常にうれしい話である」と強調する。
また、日本オラクルは日本の法律下で安全に運用できるソブリンクラウド環境の構築にも力を入れている。同社は現時点で、野村総合研究所(NRI)や富士通、NTTデータ、ソフトバンクに「Oracle Alloy」を展開し、日鉄ソリューションズにもOracle Alloyを提供する予定だ。
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