要素設計とは何か 機械を成立させる部品の知識:若手エンジニアのための機械設計入門(18)(2/3 ページ)
3D CADが使えるからといって、必ずしも正しい設計ができるとは限らない。正しく設計するには、機械要素に関するアナログ的な知識が不可欠だ。連載「若手エンジニアのための機械設計入門」では、入門者が押さえておくべき基礎知識を解説する。第18回は、機械を成立させる部品の知識である「要素設計」について取り上げる。
(2)軸受要素
「軸受要素」とは、回転する軸を支えるための機械要素です。代表例としてベアリングが挙げられます。
例えば、モーターのシャフトをそのまま支持すると摩擦が大きくなり、スムーズに回転できません。そこでベアリングを使用し、摩擦を低減して安定した回転を実現します。
ベアリングは、モーターの軸や搬送ローラー、工作機械の主軸など、多くの機械で使われています。設計現場での使用頻度も非常に高い機械要素です。
ただし、表1で示したように、ベアリングにはさまざまな種類があります。要素設計の初心者は、ベアリングの種類を覚える前に、「なぜそのベアリングを選ぶのか」を理解することが重要です。
機械によって、
- 回転数
- 荷重
- 精度
- 寿命
- 設置スペース
が異なるため、それぞれに適したベアリングを選ぶ必要があります。
ベアリング選定で最初に確認すること
初心者はまず、次の4つを確認します。
1.荷重の方向
荷重の方向は、ベアリング選定で最も重要な確認項目です。軸にかかる荷重は、大きく次の2つに分けられます。
- ラジアル荷重(軸に対して直角方向)
- スラスト荷重(軸方向)
例えば、コンベヤーのローラーではラジアル荷重が主体です。一方、ボールねじ支持部ではスラスト荷重も大きくなります。
2.回転数
高速回転では、発熱や振動が問題になります。例えば、用途によって回転数の目安は異なります。
- モーター:数千rpm
- 工作機械の主軸:数万rpm
このように、回転数が変わると、ベアリングに求められる性能も異なります。
3.必要な精度
位置決め精度や回転精度が必要かどうかを確認します。例えば、用途によって求められる精度は異なります。
- コンベヤー:一般的な精度
- 工作機械:高い精度
このように、用途に応じて必要な精度を見極めることが重要です。
4.寿命
どのくらいの時間使用するのかを確認します。ベアリングには、定格寿命という考え方があります。
例えば、用途によって求められる寿命は異なります。
- 試験装置
- 生産設備
このように、使用時間や使用条件に応じて、適切なベアリングを選ぶ必要があります。
まずは表2に示した4種類を理解するだけでも、多くの機械で使われるベアリング選定の考え方が見えてきます。
| やりたいこと | ベアリング |
|---|---|
| 一般的に軸を回したい | 深溝玉軸受 |
| 高精度に回したい | アンギュラ玉軸受 |
| 重い荷重を支えたい | 円すいころ軸受 |
| 省スペースにしたい | ニードル軸受 |
| 表2 ベアリングの大まかな選定 | |
要素設計では、「どのベアリングが優れているか」ではなく、「どの用途にどのベアリングが適しているか」を考えることが重要です。
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