10年間で売上高が18倍に! 1990年代のAlteraはCPLDからFPGAのベンダーへ:プログラマブルロジック本紀(12)(2/3 ページ)
FPGAに代表されるプログラマブルロジックICの歴史をたどる本連載。第12回は、第4回で紹介した1980年代後半のAlteraの続き。大きく成長を遂げた同社の1990年代について取り上げる。
MAX 7000に続きCPLDとFPGAの中間に位置するFLEX 8000を投入
MAX 5000シリーズの後継として1992年に発表されたのがMAX 7000シリーズである(図6)。
全体の構造そのものは大きくは変わらないが、Macrocellの構造はかなり手が入った(図7)。Max 5000シリーズでは最大192 Macrocellで7500ゲート相当(ただし利用可能なのは半分の3750ゲート)、動作周波数は最大111.1MHzだったが、MAX 7000シリーズでは256 Macrocellで1万ゲート相当(有効5000ゲート)、最大動作周波数125MHzとやや性能改善を果たしている。またローエンドのEPM7032(32 Macrocell)製品にもPIAが入ることになり、これでアーキテクチャが統一された格好だ。
このMAX 7000シリーズはその後も長くラインアップが維持されることになった。当初のMAX 7000は0.65μmプロセスで製造されていたが、後に0.5μmに移行。そして1994年には動作周波数を向上させるなどしたEnhanced VersionのMAX 7000Eシリーズを導入。EPM7128/EPM7160/EPM7192/EPM7256がEnhanced Versionに置き換えられる。1995年にはISPおよびJTAG Boundary Scanに対応した(つまりチップ側にJTAG I/Fを搭載した)MAX 7000Sシリーズが導入される。さらに1998年には3.3V動作およびMultiVolt I/O(3.3Vと5Vの混載に対応)をサポートしたMAX 7000A/MAX 7000AEシリーズも導入される。
恐らく最後のメンバーが2000年に発表したのがMAX 7000Bシリーズで、コアロジックを2.5V動作にしたことで省電力化を図った他、I/Oの充実も図られており、GTL+/SSTL-2 Class I・II/SSTL-3 Class I・II/LVTTL/LVCMOS/2.5V GPIO/1.8V GPIO/64ビット・66MHz PCIの各信号への対応が追加されている。
これらの製品展開もあって、MAX 7000シリーズはかなり長く提供が続いた。例えば、MAX 7000Aシリーズの受注終了は2021年6月、最終出荷は2021年12月である(図8)。もちろん全製品がこんなに長く提供されてきた訳ではなく、例えばEPM7096は2001年8月に受注終了、最終出荷は2002年2月である(インテルの製品ページ)。この辺は顧客のニーズというかデマンドに影響を受けるから差が出るのは仕方ないところだろう。
MAX 7000シリーズの直接的な後継は2003年発表のMAX 9000シリーズになるのだが、この前にFLEX 8000シリーズという製品が挟まった。MAX 7000シリーズと同じく1992年に発表され1993年から出荷されたFLEX 8000シリーズは、発表時の説明によればあくまでCPLDの延長にあるものの、アーキテクチャ的にはFPGAという少し面白いものだった。FLEX 8000シリーズは縦横に走るFastTrack Interconnectがまずあり、そこにLABがぶら下がる格好になる(図9)。
図9 このFastTrack、一応縦横方向同士の接続もなされている模様。例えばFLEX 8000シリーズの最大規模であるEPF81500の場合、6行27列のFastTrackが構成され、行当たり216チャネル、列当たり16チャネルの接続ポイントが用意される[クリックで拡大] 出所:Altera
このFastTrackに行列の両方向でつながる形に配されるLABだが、そのLABの内部はMacrocellではなくLE(Logic Element)になっているのが、それまでのMAXシリーズと大きく異なる点だ(図10)。
1つのLABには8つのLEが搭載されるという構造になっている。そのLEの構造が図11で、LUT(Lookup Table)ベースでロジックを実装する方式になっている。
このFLEX 8000シリーズは、208LEのEPF8282(5000ゲート相当:利用可能なのは2500ゲート)から1296LEのEPF81500(3万1000ゲート相当:利用可能は半分の1万5500ゲート相当)までラインアップされている。MAX 7000シリーズより高密度というか多いゲート数を利用可能であり、最高は133MHz駆動(-2 Speed Gradeの場合:-3 Speed Gradeだと115MHz)と最高速も少し引き上げられた格好だ。LUTベースということでSRAMでロジックを記憶しているという意味ではFPGA的な製品であるし、LUTベースという時点でもう従来のCPLDのMacrocellとはアーキテクチャが異なる。しかし、後に出てくるFPGA製品に比べると構造は簡単で、LABという概念をそのまま継承していることや、プログラミングツールとしては引き続きMAX+PLUS IIが利用できる(MAX+PLUSは未対応)あたりからも、FPGAというよりはCPLD的な要素も兼ね備えており、ちょうどCPLDとFPGAの中間に位置する製品だったといえる。
ちなみにAlteraのデータシートでもFPGAではなくProgrammable Logic Device Family(つまりPLDの一種)という扱いになっていたのは、競合であるXilinxがFPGAという言葉を前面に押し出していたから、これとの差別化を図りたかったということもあるだろう。スペック的に言えばMAX 7000シリーズからそれほど大きく高密度化、あるいは高速化が図られたわけではないが、それでもMAX 7000シリーズの上位製品的な扱いとしてヒット。続くFLEX 10Kシリーズが出るまでの間、同社のハイエンド製品の座を維持した。
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