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北極域研究船「みらいII」と“超深海探査母船”に見るJAMSTECの次世代装備船も「CASE」(1/3 ページ)

JAMSTEC 横須賀本部の2026年度一般公開イベントが開催された。本記事では、北極域研究船「みらいII」や“超深海探査母船”など、JAMSTECの研究船、探査機、観測装置の“この先”も含めた最新動向を紹介する。

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 2026年5月16日、神奈川県横須賀市にあるJAMSTEC(海洋研究開発機構) 横須賀本部の2026年度一般公開イベントが開催された。普段は一般の来場者が立ち入る機会の少ない研究拠点を公開するイベントで、会場には研究成果の紹介に加え、研究船、無人探査機、観測装置に関する実機、模型、パネルが並んだ。本記事では、主に展示された技術説明を基に、JAMSTECの研究船、探査機、観測装置の“この先”も含めた最新動向を紹介する。

海上公試が近づく「みらいII」、模型で見えた氷海対応の船型

 「みらいII」は、海氷がある時期の北極域で観測を行うための研究船として現在建造が進んでいる。JAMSTECは同船を、十分な砕氷機能と世界レベルの観測機能を備えた国際的研究プラットフォームと位置付けており、公式主要目では、平たんな1年氷1.2mを3.0ノットで連続砕氷できる能力を持たせている。極地氷海船階級は「ポーラークラス4」とされるが、JAMSTECはこのポーラークラス4について、「多年氷が一部混在する厚い一年氷がある海域を通年航行可能な階級」と説明するように、主要な観測対象となる北極域で、船を観測現場へ進めるための必須能力といえる。

建造中の北極域研究船「みらいII」の模型
建造中の北極域研究船「みらいII」の模型。2026年6月から始まる海上公試を経て、2026年11月に就役する予定。船体中央から船尾側にかけて観測甲板、ヘリ甲板、Aフレームクレーンなどを配置する[クリックで拡大]

 展示されていた模型の船首部では、丸みを帯びた大きな船首形状を確認できた。氷を割りながら進む砕氷船では、船首形状が氷との接触や船体への荷重に影響する。船尾船底部でも電気推進/可変ピッチプロペラによる2軸2舵という構成となっていることに加えて、プロペラ軸を氷から守るためボッシングで覆い、後進時に氷が舵へぶつかるのを防ぐアイスナイフも備えるなど、氷海を航行する船で求められる推進器や舵を保護する構造を把握できる。

「みらいII」の船首部
「みらいII」の船首部。氷海航行を想定した丸みのある船首形状を確認できる[クリックで拡大]
船尾船底部では2軸推進、2舵の形状が把握できる
船尾船底部では2軸推進、2舵の形状が把握できる[クリックで拡大]

 後部側の観測甲板には、Aフレームクレーンと中折れ式クレーンを搭載する。Aフレームクレーンは内高さ11.9m、内幅6.1m、最大荷重280kN(振出固定/観測時)で、クレーン類は船首、船体中央、観測甲板右舷、観測甲板左舷にも配置する。模型では、観測機器を傷つけないように採用された木甲板、CTD・ムーンプール区画、ウインチ室、ヘリ甲板、第1観測器材倉庫の配置や、CTD LARS(採水器着揚収装置)を右舷船内から船外へ引き出せる構造も確認できた。なお、みらいIIは、後部上方にヘリ甲板を備えるが、ヘリコプターは船首尾方向から真っすぐ進入、離脱するのではなく、側方からアプローチし、側方へ離陸する運用を想定しているという。

観測甲板を左舷後方から見る
観測甲板を左舷後方から見る。船尾側のAフレームクレーン、左右の中折れ式クレーン、上方のヘリ甲板など、観測機器の投入/揚収とヘリ運用をまとめた配置状況が分かる[クリックで拡大]

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