検索
特集

生成AI×3D CADでどこまでできるか試してみた500mLのペットボトルを作成して!(1/2 ページ)

生成AIの活用は、文章や画像、動画だけでなく、3D CADの分野にも広がり始めています。自然言語で指示するだけで、3Dモデルのたたき台を作成できる環境も登場しつつあります。今回はAutodesk Fusionの「Autodesk Assistant」を使い、ペットボトルの3Dモデル作成を試しながら、生成AI×3D CADの可能性と課題を紹介します。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 近年、生成AI(人工知能)の進化は目覚ましく、文章生成や画像生成だけでなく、3D CADの分野にも変化をもたらし始めています。X(旧Twitter)やYouTubeなどでも、「AIに指示しただけで3Dモデルができた」「テキストからCADモデルを生成できた」「設計者の仕事が変わるかもしれない」といった投稿を目にする機会が増えてきました。

 これまで3D CADを扱うには、スケッチや拘束、押し出し、フィレットなどの操作を1つずつ覚える必要がありました。しかし最近では、AIに自然言語で指示するだけで、3Dモデルの作成を支援する環境が登場し始めています。

 そこで今回は、話題の「生成AI×3D CAD(3Dモデリング)」を実際に試し、その第一印象や可能性、現時点での課題について紹介します。

CAD業界にも広がる生成AIの波

 生成AIの普及により、「ChatGPT」「Gemini」「Claude」「Copilot」などを利用する人が増えています。当初は文章作成や要約などの用途が中心でしたが、現在ではプログラム生成、画像生成、動画生成など、活用範囲が広がっています。

 筆者は以前、画像や動画は生成できても、生成AIによる3Dモデル生成は難しいだろうと思っていました。しかし実際には、Xなどで「生成AIでCAD用のスクリプトを作成した」「CAD用のPythonコードを生成した」「テキスト入力だけで3Dモデルを作成した」といった投稿が増えており、CAD業界でも注目されるようになっています。

 従来の3D CADは、「人が操作して形状を作る」ことが基本でした。一方、生成AIを活用した3Dモデリングでは、「人が作りたいものを言葉で伝える」ことが出発点になります。CADを操作するだけでなく、生成AIに設計意図や形状イメージを伝えながらモデルを作る方向へ、少しずつ変化し始めているといえるでしょう。

 もちろん、現時点で人間の設計者が不要になるわけではありません。ただし、ラフモデルの作成、アイデア検討、試作用モデルのたたき台作りといった用途では、既に実用に近い使い方が見えてきていると感じます。

生成AIでペットボトルの3Dモデリングに挑戦

 ここからは、実際に生成AIを使ってペットボトルの3Dモデリングに挑戦してみます。生成AIツールや3D CADにはさまざまな選択肢がありますが、今回は「Autodesk Fusion」に搭載されている「Autodesk Assistant」を使いました。

 指示文、いわゆるプロンプトとして、次の内容を入力しました。

容量500mLサイズのペットボトルを作成してください。

 しばらくすると、ペットボトルの3Dモデルが画面に表示されました。しかも、タイムラインには作成履歴も残っています。スケッチやフィーチャのパラメーター変更も行えるため、生成された形状をそのまま終わりにするのではなく、後から編集できる点は3D CADとして重要です。

Autodesk FusionのAutodesk Assistantを使って「ペットボトル」の3Dモデルを作成している様子
画像1 Autodesk FusionのAutodesk Assistantを使って「ペットボトル」の3Dモデルを作成している様子[クリックで拡大]

 今回は「容量500mL」と指示しましたが、筆者が手動でコマンドを使って検証したところ、下の画像2の青色部分が500mL相当になります。生成されたモデルには少し余裕があることが分かりました。

 Autodesk Assistant側には、完成したモデルの寸法として、高さ:200mm、胴体直径:65mm、口部直径:28mm、肉厚:約0.3mmと表示されていました。

青色の部分が500mL相当の容量
画像2 青色の部分が500mL相当の容量[クリックで拡大]

 その後、満タンに液体が入ったときに500mLになるよう、何度か追加で指示してみました。尺度コマンドを使って係数を計算し、サイズを修正しようとしてくれましたが、ぴったり500mLに合わせるのは難しく、最終的には筆者が尺度のパラメーターを手動で調整しました。

 この結果からも、生成AIだけで狙い通りの寸法に仕上げるのではなく、ある程度は人が確認し、最終調整する必要があると感じました。

Autodesk Fusionの尺度コマンドでサイズを調整している様子
画像3 Autodesk Fusionの尺度コマンドでサイズを調整している様子[クリックで拡大]

 今回の記事ではAutodesk Assistantを使ってペットボトルの3Dモデルを作成しましたが、筆者のYouTubeチャンネル「テルえもんCADルーム」では、生成AIのClaudeを使って3Dモデルを作成する様子も紹介しています。興味のある方は、併せてご覧ください。

Fusion×生成AI「Claude」MCP連携をインストールから初期設定まで徹底解説!

 この他にも、Autodesk Assistantで別の形状を作成したり、Geminiを使って手書き図面から3Dモデルを作成したり、スクリプトを作成したりする動画を公開しています。生成AIと3Dモデリングの可能性を感じていただける内容になっています。

【新機能2026年】Autodesk Assistant(AIアシスタント)にプロンプトを入れて試してみた!(Autodesk Fusion)
手書き図面→生成AI(Gemini)→Python→Autodesk Fusionスクリプト→3Dモデル作成
生成AIで入力ボックスを作成して3D CADモデル作成(ペン立て)【Autodesk Fusion×Gemini】

 今回は3D CADとしてAutodesk Fusionを使用しましたが、「Autodesk Inventor」や「SOLIDWORKS」、無料で使用できる「FreeCAD」などでも、生成AIツールを使ってPythonやVBAのプログラムを作成し、3Dモデルを生成できます。

【Autodesk Inventor】手書き図面→生成AI-Gemini→VBAマクロ→3Dモデル
【3D CAD×生成AI×VBAマクロ】手書き図面から3Dモデル生成【SOLIDWORKS×Gemini】
無料3D CAD×生成AI【3Dモデリング】コップ作成(Gemini→Python→FreeCAD→マクロ実行)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る