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サプライチェーン被害1億円超が25%、「ティア2以降」どう可視化する製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

Specteeは製造業向けサプライチェーン管理の新戦略を発表した。サプライヤーへ無償IDを発行して供給網の繋がりを可視化する連携機能を実装。今後は自律的に対応策を提案するAIエージェントを中核に据え、新たなエコシステムの構築を目指す。

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 Spectee(スペクティ)は2026年5月29日、製造業のサプライチェーンリスク管理(SCRM)を高度化する新たな事業戦略を発表した。同年1月に、製造業向けサプライチェーンリスク管理クラウド「Spectee SCR」において、0〜N次サプライヤーまでのつながりを可視化するサプライヤー連携機能を実装。2028年に向けて、企業や業界をまたいでAI(人工知能)エージェント同士が自律的に連携し、データを安全に共有し合う「自律共創型ネットワークSCM(サプライチェーンマネジメント)」の実現を目指す。

サプライチェーンの8割は「見えていない」

グローバルのSCM市場の伸び
グローバルのSCM市場の伸び[クリックで拡大] 出所:Spectee

 昨今の地政学リスクや自然災害の頻発などを背景に、サプライチェーンの寸断が世界的な経営課題となっている。これに伴いSCM市場は拡大傾向にあり、米国のMarkets and Markets(マーケッツアンドマーケッツ)の調査によると、SCMの世界市場規模は2025年の385億ドルから、2030年には600億ドルに達すると予測されている。

Specteeの村上建治郎氏
Specteeの村上建治郎氏

 日本国内の環境について、Spectee 代表取締役CEOの村上建治郎氏は「自動車や電機産業などを筆頭に、日本のサプライチェーンは大規模なハブ工場から小規模な町工場に至るまで、何層にも複雑に絡み合ってモノづくりを支えている」と説明する。その一方で、「自然災害のリスクが極めて高いという地域的な特性も抱えており、常に供給網が寸断される危険性と隣り合わせだ」と指摘した。

 このように常にリスクと隣り合わせであるにもかかわらず、管理体制のデジタル化は進んでいない。同社が実施した調査では、自然災害によるサプライチェーンの被害額が1億円を超えた企業が25%に上ることが分かった。

サプライチェーン上の課題
サプライチェーン上の課題[クリックで拡大] 出所:Spectee

 被害が拡大する最大の要因となっているのが、「サプライチェーン全体像の不可視性」だ。村上氏によると、企業の多くは直接取引のあるティア1(1次)サプライヤーまでしか状況を把握できておらず、全体の約8割にあたるティア2(2次)以降が見えていないという。村上氏は、「見えない領域で起きたトラブルが自社の生産に与える影響度合いを把握するため、まずは供給網のつながりを可視化する必要がある」と強調した。

リスク情報を全社で即時に共有

 Specteeは2011年の東日本大震災を機に設立し、「危機を可視化する」をミッションに事業を展開。現在、自動車部品メーカーや半導体、電子部品業界などを中心に約1000社の導入実績を持つ。本社管理部門や総務部門向けに拠点周辺の災害情報などを提供する防災/BCP特化型の「Spectee Pro」と、調達/購買部門向けにサプライチェーンリスク管理に特化した「Spectee SCR」を主力クラウドソリューションとして展開している。

調達/購買部門向けの「Spectee SCR」
調達/購買部門向けの「Spectee SCR」[クリックで拡大] 出所:Spectee

 これら2つのサービスについて、村上氏は「社内で相互に情報を共有できる仕組みとなっており、サプライヤーで問題が発生した際にもSpectee Pro側に通知が行くなど、全社的なリスク情報の即時共有を可能にしている」と説明する。

 Spectee SCRは、全世界のニュースやSNS、気象データ、地政学リスク情報などをリアルタイムに分析して、サプライヤー周辺で発生する危機を検知するソリューションである。具体的な機能として、発災時にサプライヤーの被害状況や生産への影響を一元管理する自動アンケート機能、ESG評価、BCP対応状況をスコア管理するサーベイ機能、サプライヤーのリスク評価機能などを提供する。

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