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日本版データスペースの司令塔、「デジタルエコシステム官民協議会」が描く勝ち筋加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(8)(1/3 ページ)

欧州を中心に進むデータ共有圏の動向やその日本へのインパクトについて解説してきた本連載だが、第8回は日本のデータスペース推進の強力なナショナルフロントとして始動した「デジタルエコシステム官民協議会」について紹介する。

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連載概要と本記事の位置付け

 本連載では、「加速するデータ共有圏/データスペースの最新動向と日本の産業へのインパクト」をテーマとして、データ共有圏/データスペースの動向やインパクト、IDSA(International Data Space Association)、GAIA-X、Catena-X、Manufacturing-Xなどの鍵となる取り組みを解説してきた。第8回となる今回は、これらの動きに対し、日本版データスペース推進の強力なナショナルフロントとして始動した「デジタルエコシステム官民協議会」の全貌と、経団連が描く日本独自の「プロアクティブ(前向き)な勝ち筋」について、紹介する。

データ共有圏(データスペース)とは

 データ共有圏はデータスペース(Data Space)とも呼ばれている。データの共有/交換は、従来はプラットフォームを介したデータ共有が一般的であり、提供されたデータの活用やマネタイズについてはプラットフォーム側が実施し、データ所有者は関与できないものだった。

 一方で、現在欧州発で検討が進むデータ共有圏=データスペースについては、データの出し手と受け手をコネクターで直接つなぐ分散型の共有となる。コネクターを活用し、データ所有者と利用者が直接データ共有を実施する。データ主権が担保され、データ所有者が「他者がデータをどのように、いつ、いくらで利用できるかを自己決定することができる」のが特徴だ(図1)。

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図1:欧州が展開しているデータ共有圏[クリックで拡大] 出所:筆者作成

経営トップの危機感から始まった「ナショナルフロント」の構築

 日本における産業データスペースの本格的な議論は、日本企業の経営層から湧き上がった強い危機感を契機にスタートした。当時、欧州では環境規制をテコにしたデータスペースの構築が急ピッチで進んでいた。一方で、日本では横断的なデータ連携の枠組みが未整備であった。

 この状況に一石を投じるべく、日本経済団体連合会(経団連)は2023年10月に「第一次提言」を公表した。ここでは、従来の日本のデータ連携が「業界ごとの縦割り」にとどまっており、横展開や国際的な連携が不十分であるという課題を明確に指摘している。その上で、産業競争力の強化や地球規模の課題解決のために、国としての戦略と工程表の提示、トラスト基盤の整備が必要であると強く訴えかけた。

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図2:第1次提言に記載された目指すべき産業データスペースのイメージ[クリックで拡大] 出所:ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)

 その後、デジタル庁、経済産業省、総務省といった関係省庁、さらにはデジタル政策フォーラムやデータ社会推進協議会(DSA)、デジタルトラスト協議会といった実務団体との濃密な対話と深掘りを経て、2024年5月には、より実装に向けた「第2次提言」が結実した。この提言では、「全体像と戦略工程表の提示」「共通枠組みの整備」「トラスト基盤の整備強化」「ユースケースの創出」「官民の推進体制の構築」という5つの重点項目が具体的に示された。

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図3:第2次提言に記載されたデジタルエコシステム官民協議会のイメージ[クリックで拡大] 出所:経団連

 そして2024年6月、これらを強力に実行する推進体制として、デジタル庁と経団連の共同により「デジタルエコシステム官民協議会」が正式に設置されたのである。これまで海外から見て「日本のデータ連携に関する窓口が分からない」とされていた課題を解決する、まさに日本の「ナショナルフロント」の誕生である。

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図4:デジタルエコシステム官民協議会[クリックでWebサイトへ] 出所:デジタルエコシステム官民協議会

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