コベルコ建機の次世代油圧ショベルはSDV!? ソフトアップデートで継続進化:車両デザイン(1/2 ページ)
コベルコ建機は、20トンクラス油圧ショベル「SK-200」の新モデルを発表した。自動車開発で注目を集めるSDVと同様にOTAによるソフトウェアアップデートで新機能を追加可能であり、「次世代油圧ショベル」に位置付ける。
コベルコ建機は2026年5月15日、東京都内で会見を開き、20トンクラス油圧ショベル「SK-200」の新モデルを発表した。現行モデルを発表した2017年7月以来、約10年ぶりの新モデルとなる。自動車開発で注目を集めるSDV(ソフトウェアデファインドビークル)と同様にOTA(Over the Air)によるソフトウェアアップデートで新機能を追加可能であり、「次世代油圧ショベル」に位置付ける。発売は同年8月3日で、価格(税別)は2720万円。
コベルコ建機 代表取締役社長の山本明氏は「建設機械業界は非常に大きな転換点にある。当社も、人手不足に対応するための安全性向上をはじめ、燃料電池や電動化、遠隔操作や自動化を実現し、その社会実装を進めてきた。これらの取り組みは『持続可能な現場を実現する』という考え方に基づいている。今回発表する新製品は、これまで培ってきたモノづくりや考え方を形にしたものだ。現場で働いている一人一人の安全や負荷低減を目指し、初めての人でも簡単に扱えるとともに、熟練オペレーターの能力を最大限に引き出せるように開発してきた。建設機械として王道ではないかもしれないが、常識を疑うこと、さらに新しい価値を生み出すことをわれわれの使命とし、これからの建設現場がより多くの人に開かれるようにその進化を支えていきたい」と語る。
SK-200は、建設業界を取り巻くさまざまな課題の解決に向けて、「顧客のニーズに合わせて導入後も機能拡張し続ける」「誰でも簡単にすぐ使える」をコンセプトに開発された。
「顧客のニーズに合わせて導入後も機能拡張し続ける」に対応する特徴が、ソフトウェアアップデートによる機能拡張である。従来の建設機械において機能追加するには大幅なハードウェア面の改造が必要だった。しかし、SK-200は「ハードウェアにさまざまな機能をあらかじめ持たせておき、ソフトウェアアップデートによりそれらのハードウェアを用いて新機能を利用できるようにする」(コベルコ建機 執行役員 技術開発本部、新事業推進部担当の山下耕治氏)ことで、日々変化する現場ニーズに柔軟に対応できるよう、常に最新の機能を保持できる仕組みを取り入れた。
「誰でも簡単にすぐ使える」に対応するのが、掘削や旋回、走行などの日々の作業を、より正確かつ効率的に行えるよう機械が自動で調整しアシストする先進アシスト機能だ。例えば、掘削アシスト機能は、オペレーターの経験に左右されずに掘削する土量を最大化できる。旋回アシスト機能では、操縦席内のタッチパネルを使ってあらかじめ停止ポイントを設定しておけば、旋回減速のための微妙なレバー操作を自動調整してくれる。
これらの他にも、走行しながら効率良く他の操作を行えるシングルペダル走行機能や、長距離の移動も片手で楽に行えるジョイスティック走行機能、複数回に分けて行う積み込み作業における積載重量の総計を計測してくれるペイロードなどを標準装備している。
政府が推進する「i-Construction 2.0」に求められるICT施工への対応では、2DMC(マシンコントロール)/MG(マシンガイダンス)を標準装備とした。ICT施工の一つである2DMC/MGは、3DMC/MGとは異なり3次元設計データや衛星測位データが不要で、中小建設業でも導入しやすいことがメリットになっており、国土交通省も普及促進に乗り出している。2DMCを用いた半自動制御により、従来施工と比べて延べ人月工数半減、日数で約20〜30%削減という導入効果が得られるという試算もある。
さらに、他社の測量機器やチルトローテーターなど外部機器とのAPI連携が可能で、必要に応じてSK-200の機能拡張を図れるようになっている。
山下氏は「OTAによるソフトウェアアップデート機能や先進アシスト機能のアルゴリズムを組み込むため、現行モデルと比べて車載コンピュータの性能を大幅に向上している」と説明する。なお、ソフトウェアアップデートに用いる無線通信機能も標準装備となっている。
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