検索
ニュース

「中東情勢の影響は軽微」、AGCの現状や対策とは製造マネジメントニュース(2/3 ページ)

中東情勢緊迫化による原油高と調達難に対し、AGC 代表取締役の竹川善雄氏は「業績への影響は軽微」との見方を示した。業績への影響を抑えるために、どのような取り組みを進めているのか――。2026年12月期第1四半期の決算説明会を通して、紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

価格施策が貢献し増収増益

 2026年12月期第1四半期におけるAGCの売上高は前年同期比384億円増の5380億円で、営業利益は同126億円増の385億円となった。親会社の所有者に帰属する当期純利益は同162億円増の228億円を記録した。

2026年12月期の第1四半期業績
2026年12月期の第1四半期業績[クリックで拡大] 出所:AGC

 竹川氏は「売上高の向上には、円安効果に加え、エッセンシャルケミカルズ東南アジアでの出荷増や欧州建築ガラスの価格政策が貢献した。増益は、前述の増収要因に加え、ライフサイエンスの損益改善や欧州天然ガス価格の下落が寄与した」と話す。

 セグメント別では、建築ガラスセグメントの売上高は同80億円増の1120億円で、営業利益は同56億円増の47億円と黒字に転じた。同セグメントにおける売上高の内訳は、アジア地域での事業が同1億円減の345億円で、欧米地域での事業が同88億円増の773億円、セグメント間が同8億円減の2億円となった。

建築ガラスセグメントの売上高
建築ガラスセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 同セグメントに関して、アジア地域の事業では出荷数量が日本で減少した一方、東南アジアでは増加したが、販売価格は下落した。欧米地域の事業では、出荷数量が減少したが、円安や欧州での価格施策が増収につながった。増益については、これらの増収要因に加えて、欧州天然ガス価格の下落が貢献した。

 オートモーティブセグメントの売上高は同89億円増の1376億円で、営業利益は同10億円増の86億円となった。同セグメントの売上高に関して、円安による増収効果があった他、高機能化の進展で、日本、欧州、北米における品種構成が改善し、アップした。営業利益について、製造コストが増加したが、これらの増収要因により増益となった。

オートモーティブセグメントの売上高
オートモーティブセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 電子セグメントの売上高は同36億円増の903億円で、営業利益は同18億円減の123億円を記録した。同セグメントにおける売上高の内訳は、ディスプレイ事業が同23億円増の481億円で、電子部材事業が同12億円増の417億円、セグメント間が同1億円増の5億円となった。

電子セグメントの売上高
電子セグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 竹川氏は「半導体関連は基本的に成長が継続すると見ており、下期にかけて販売増を見込んでいる。一方、オプトエレクトロニクスは高機能化に向けた過渡期にあり、当面は前年並みの状況が続くと予測している」と触れた。

 ディスプレイ事業では液晶ディスプレイ用ガラス基板の販売価格が上昇した。電子部材事業では、極端紫外線(EUV)露光用フォトマスクブランクスの出荷数量が回復途上で、その他の半導体関連部材とオプトエレクトロニクスの出荷数量は増えた。これらの要因により、増収した。

 これらの増収要因があったが、同セグメントの営業利益は、製造コストの悪化や円安影響によるディスプレイ事業の低迷で減益となった。

 化学品セグメントの売上高は同131億円増の1572億円で、営業利益は同41億円増の152億円を記録した。同セグメントにおける売上高の内訳は、インテグレイテッドケミカルズ事業が同67億円増の784億円で、エッセンシャルケミカルズ事業が同72億円増の784億円、セグメント間が同8億円減の4億円となった。

化学品セグメントの売上高
化学品セグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

 日本国内のクロールアルカリやウレタン製品の事業と、主に日本に開発/製造機能を置く機能化学品事業で構成されるインテグレイテッドケミカルズ事業は、エレクトロニクス向け製品などの出荷数量が増えた。

 東南アジア地域のクロールアルカリ事業であるエッセンシャルケミカルズ東南アジア事業は、塩化ビニール樹脂と苛性ソーダの販売価格が下落も、タイの設備増強により出荷数量が増え、円安も寄与し、増収となった。これらの増収要因や、製品原価などの改善と一時収益が増益につながった。

 竹川氏は「2023年3月に発表した千葉工場のフッ素製品の製造能力増強は既に完了しており、順次稼働を開始している。今後も半導体産業を中心にフッ素製品の需要は伸びると見込んでおり、将来的な需要成長に確実に対応できる供給体制の整備が完了した状態にある」と述べた。

 ライフサイエンスセグメントの売上高は同46億円増の356億円で、営業利益は同28億円増の33億円の損失となった。同セグメントにおける売上高の内訳は、ライフサイエンス事業が同49億円増の349億円で、セグメント間が同3億円減の7億円を記録した。

 同セグメントにおいては、合成医農薬の医薬品開発製造受託(CDMO)事業やバイオ医薬品CDMO事業ともに円安と受託増加により増収となった。バイオ医薬品CDMO事業のコロラド拠点閉鎖などによる固定費削減の効果発現に加えて、コペンハーゲン拠点など受託増と生産性改善が増益につながった。

ライフサイエンスセグメントの売上高
ライフサイエンスセグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:AGC

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る