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非公開化から始まる「富士ソフト Gen.2」、AI×IT×OTの融合が勝ち筋に製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

富士ソフトは、2026年度からの新たな経営体制「富士ソフト Gen.2」と、併せて実施する組織改革の全体像について説明した。組み込み/制御系での高い実績を生かしてフィジカルAIのトレンドを取り込み、AI×IT×OTの融合によって、止められない社会/産業システムをエンドツーエンドで担うSIerとして持続的な企業価値向上の実現を目指す。

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富士ソフトの室岡光浩氏
富士ソフトの室岡光浩氏

 富士ソフトは2026年4月27日、東京都内で会見を開き、2026年度からの新たな経営体制「富士ソフト Gen.2」と、併せて実施する組織改革の全体像について説明した。組み込み/制御系での高い実績を生かしてフィジカルAI(人工知能)のトレンドを取り込み、AI×IT×OT(制御技術)の融合によって、止められない社会/産業システムをエンドツーエンドで担うSIerとして持続的な企業価値向上の実現を目指す。2028年度以降の事業目標として、営業利益で2025年度比倍増となる500億円以上を掲げた。

 同社は2025年2月、米国投資会社のKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)によるTOB(公開買い付け)を経て株式を非公開化した。この株式非公開化により安定した株主構成を確保したことで、新たな成長段階に進むべく2025年7月にトップマネジメントの変更に踏み切った。そこで、新たな代表取締役 社長執行役員 CEOとして招聘(しょうへい)したのが、NECで海外事業やグローバル事業戦略の立案などに携わってきた室岡光浩氏である。

 室岡氏は「日本のIT企業は技術の潜在力が非常に高い一方で、その潜在力を経営として十分にレバレッジできていないことが多い。私が富士ソフトに入社したのは、この会社には戦うための素材や能力がしっかりと既に育っていると確信したからだ。私自身がこれまで経験をしてきたさまざまなトランスフォーメーションの経験を取り込むことで、企業価値をもっと高められると確信している。また、止められない社会/産業システムの構築で実績と信頼を積み重ねてきたことは、これからのAI時代に向けて新しい成長機会になるだろう。AI×IT×OTの融合によって顧客の未来を創造するという、新しいロールモデルを示すこともなるだろう」と語る。

 1970年5月創業の富士ソフトは、組み込み/制御ソフトウェア開発を当初の主力事業としながら、2000年代にはSI事業を拡大し、2020年からAI×IT×OTによるDX(デジタルトランスフォーメーション)に実現に舵を切った。2025年12月時点の連結売上高は3340億円で、2026年1月時点の連結従業員数は2万672人。全国に29カ所の拠点を展開し、グループ会社もサイバネットシステムやヴィンクスなど多数を傘下に置く。

富士ソフトの会社概要と沿革
富士ソフトの会社概要と沿革[クリックで拡大] 出所:富士ソフト

 富士ソフトの強みは、祖業につながる組み込み/制御系でNo.1のSIerであることや、ベンダーフリーの広い守備範囲、技術者育成の文化と仕組みに基づく、現場に強い総合力にある。「リアルタイム要求の高い分野で実績があり、設計から実装/運用まで寄り添う力、やり切る力を多くの顧客から評価していただいている。また、平均年齢が35.6歳と同業他社より5〜10歳若いが、これは若手の積極登用と熟練者の伴走というフレームワークがあってこそ実現できている」(室岡氏)。

富士ソフトの強み
富士ソフトの強み[クリックで拡大] 出所:富士ソフト

 室岡氏は富士ソフトの“知られざる実力”の一端として、全国6地域に2500人以上の技術者を展開する自動車や、組み込み/制御系の知見にAIを掛け合わせて実現するスマート工場、業界の先陣を切ってロボット制御の技術力を高めてきたフィジカルAIなど、組み込み/制御系の事例を挙げた。SI事業でも、デンソーに納入したAIナレッジマネジメントシステムや、消費者庁の14システムを6カ月でAWSに大規模一括移行したガバメントクラウドの事例があるという、

富士ソフトの“知られざる実力”の一端
富士ソフトの“知られざる実力”の一端[クリックで拡大] 出所:富士ソフト

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