【レベル11】3D CADのマルチボディ機能を活用せよ!:テルえもんクエストII(11)(2/3 ページ)
設計スキルのレベルアップを目指す設計者の皆さんを“冒険者”に見立て、さまざまな“問(モン)スター”に挑む「テルえもんクエストII」の世界へようこそ。【レベル11】のテーマは、「3D CADのマルチボディ機能を活用せよ!」だ。
アイテム(3)ボディの分割
複数のボディを結合するのとは反対に、ボディを分割して複数のボディを作成することも可能です。全体形状を設計してから加工性や組み立て性を考慮し、部品に分けてアセンブリを構成できます。
ボディとボディの空洞部分にボディを作成することも可能です。例えば、ペットボトルをモデリングした場合、蓋のボディとボトルのボディの空洞部分に入る液体のボディを作成し、体積を算出できます。
他にも「ソリッドスイープ」という機能があり、通常のスイープは輪郭とパスを選択して形状を作成しますが、輪郭ではなく、ソリッドボディをパスに沿わせて形状を作成することも可能です。
アイテムの具体的な活用例
はじめに、分かりやすい活用例として、身近なものを題材に紹介します。
例えば、図6に示すようにワイングラスをモデリングする場合、外形を作成してから上部をシェルで一定の厚みにくり抜きたいとき、下側の持ち手のボディと上側のワインを注ぐ部分のボディが一体になっていると、全体がシェル化されてしまいます(図6左)。
これを上下で別々のボディに分割することで、上側のボディのみにシェルを適用できます(図6中央&右)。シェル後にブーリアン演算で結合(和)すれば、1つのボディになります。マルチボディ機能を活用することで、形状の一部にフィーチャーを適用できます。例えば、部分的に穴をあけたり、フィレットを追加したりすることで、柔軟なモデリングが実現可能です。
次に、機械設計での活用例です。最終的に溶接して1つの部品になるものでも、加工用に別々の3Dデータや2D図面が必要な場合には、マルチボディで作成しておくことで対応できます。
また、製品を置くための治具を設計する際、製品の3Dデータをファイルに挿入して形状を作成するときにも、マルチボディ機能を活用することが可能です。
同様に、金型設計や相手部品との関係性を検討しながら設計を行う場合にも有効です。金型設計では、1つのボディからキャビコアに分割し、1つの部品ファイル内で作業を行うことも可能です。また、作業後に別々の部品ファイルへリンク付きで分割することもできます。
マルチボディの活用まとめ
従来の3D CADの設計プロセスでは、1つの部品ファイルにソリッドボディを1つだけ作成するのが一般的でした。しかし、マルチボディ機能が搭載されたことで、1つの部品ファイル内に複数のソリッドボディを作成できるようになり、これにより、複雑な設計を効率的かつ柔軟に進められるようになりました。
マルチボディ機能は、現代の設計プロセスにおいて非常に有用なツールです。この機能を活用することで、設計の効率性と柔軟性が向上し、複雑な製品や部品の設計がより簡単かつ迅速に行えるようになります。
また、マルチボディは単なる機能ではなく、設計者が直面するさまざまな課題を解決するためのツールであり、効果的に使用することで、より良い設計結果につなげることができます。
マルチボディ機能を「部品の設計」だけに限定するのではなく、「アイデアの組み合わせ」として捉えることもできます。各ソリッドボディを独立したアイデアやコンセプトの「ブロック」と見立て、それらを自由に組み合わせることで、新しい製品や機能を生み出すことも可能です。
ぜひ、マルチボディ機能を有効活用してみてください。ただし、マルチボディではなく、アセンブリでしか使用できない機能もあるため、その点には十分注意してください。
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