汎用人工知能の実現は「世界モデル」が鍵に 進化を続けるAI技術動向に要注目:人工知能ニュース(1/2 ページ)
野村総合研究所(NRI)は「第407回NRIメディアフォーラム」を開催し、AGI(汎用人工知能)最新動向について説明した。
野村総合研究所(NRI)は2026年3月24日、「第407回NRIメディアフォーラム」を開催し、AGI(汎用人工知能)の最新動向について説明した。
汎用人工知能の定義と技術動向についての現状
汎用人工知能に関してはさまざま定義がされている。NRI デジタルトラスト基盤事業本部 IT基盤技術戦略室 チーフストラテジストの長谷佳明氏は「汎用人工知能とは、人間の思考をそのまま再現するのではなく、人間と同等の効果を発揮するAI(人工知能)である」と捉えている。汎用人工知能には、経験から知識を獲得する「高度な学習能力」と、未知の事象にも対応できる「一般化能力を伴う推論力」が必要不可欠とされている。また、抽象的な目標から行動を計画する階層的思考能力も必須である。
汎用人工知能が実現すると、無限のスタミナや膨大な記憶が可能という機械の特性から、人間を超えるASI(Artificial Super Intelligence、超知能)が誕生する可能性があるという。長谷氏は「汎用人工知能が実現すると、知的作業のほとんどを代替できるのではないかと考えている。社会学的に大きなインパクトを残す可能性が高い」と予測する。
AI技術の進歩により、人間並みの画像処理能力や自然言語処理を実現し、状況によっては人間を上回るケースが散見されている。このような背景を考慮し、現在の技術進歩の先に、汎用人工知能が実現するのではないかと期待が高まっている。
汎用人工知能の実現/社会実装について、従来は数10〜100年先のSF的な遠い未来の話とされていた。だが、LLM(大規模言語モデル)の進化などによって、OpenAI CEOのサム・アルトマン氏など著名な経営者や研究者が、2026〜2028年頃には高度で強力なAIや、AI研究を自律的に行えるAIが誕生する可能性があると予測を変え始めている。
現在のAIは特定な分野に特化した「特化型人工知能」である。一方、汎用人工知能は特定の領域に特化せずに、人間が獲得可能なスキルと知識全体が対象になる。タスクを自律的に遂行するためには、“スキルをどう使うか”という知識をAIが持つ必要がある。
具体的には、“画像認識”というスキルを持った特化型人工知能は、エンジニアが活用方法に関する知識を外部からシステムに変換して実装している。一方、汎用人工知能は画像認識のスキルとこれを使用するために必要な知識が一体化しており、どのスキルをどこで使用すればいいのかを自ら考えて実行できる。長谷氏は「スキルを活用するための主体が外部のシステムなのか、もしくは内部のAI自身が持つのかという部分が大きな違いである」と語る。
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