「エラー番号は何ですか」の非効率解消へ、三菱電機がクラウドでロボ復旧早期化:FAインタビュー(1/2 ページ)
製造現場で稼働するロボットが増える中で、課題となっているのがトラブル発生時のダウンタイムや現場の負担増だ。三菱電機では、既存の産業用/協働ロボット向けアフターサービス「iQ Care MELFA Support」において、クラウド基盤を使ったリモートサービスを設けて課題解決につなげようとしている。
製造現場で稼働するロボットが増える中で、課題となっているのがトラブル発生時のダウンタイムや現場の負担増だ。三菱電機では、既存の産業用/協働ロボット向けアフターサービス「iQ Care MELFA Support」において、稼働データなどをクラウド基盤で共有するリモートサービスを設けることで、課題解決につなげようとしている。サービス開発を担った三菱電機 名古屋製作所 ロボット製造部 ロボットテクニカルセンターの猪飼剛氏と販売部門を取りまとめる同社 FAシステム事業本部 機器事業部 ロボット・センサ部 戦略企画Gの山岡誠氏に、サービスの概要や開発背景などを聞いた。
復旧作業の効率化で製造現場のダウンタイム削減へ
MONOist リモートサービスの開発背景となった製造現場の課題とは何でしょうか。
猪飼氏 iQ Care MELFA Supportでは従来、無償保証期間を延長する保証延長サービス、三菱電機システムサービスのサービスエンジニアが訪問する点検サービス、日々の稼働情報をコントローラー内のSDカードに収集して状態を監視するモニタリングサービスを提供してきた。新たに追加したリモートサービスは、モニタリングサービスで集めたデータをクラウド基盤で共有するサービスとなる。
日本で稼働する産業用ロボットの台数は年々増えている。それに伴って、産業用ロボットを扱う現場の負担も大きくなっている。
エラーが発生してロボットが止まり、ユーザー側で対処できない場合、まず電話などで設備を構築した装置メーカーに問い合わせる。その際に、電話口で「エラー番号は何か」「どんな状態になっているか」などのやりとりが生じる。それでも復旧できない場合、われわれのサービス会社である三菱電機システムサービスに問い合わせが入り、再び「エラー番号は何か」「どんな状態になっているか」などのやりとりをする。それでも解決できない場合に、装置メーカーもしくはサービス会社が、現地を訪れることになる。こういった直列的なトラブルシューティングの流れによって、多大なタイムロスが発生することが課題になっている。
今回のリモートサービスでは、ロボットの稼働データをクラウド上でユーザー、装置メーカー、サービス会社で共有することで、トラブル時の初動対応の正確性を高め、ダウンタイムの削減を図る。
MONOist リモートサービスのシステム構成を教えてください。
猪飼氏 iQ Care MELFA Supportで使用しているコントローラー内のSDカードに保存されているデータを、MELFAクラウドコネクター(無償)をダウンロードしたIPC(産業用PC)を介してクラウド基盤にアップロードする。SDカード以外にロボットコントローラーから、今ロボットが稼働しているか、停止しているかも見られる他、SLMP通信でタクトタイムなども得られる。
リモートサービスで提供する機能は3つだ。
ダッシュボード機能ではスマートフォンやタブレット端末で稼働状況などが見られる。われわれやサービス会社も、ユーザーから連絡が入った際に、ロボットのどんなエラーが、いつ頃、どれくらいの頻度で起きているのかが瞬時に把握できる。“ぶつけたんだろうな……それなら減速機の納期を確認してから現場に行こう”など、前もって準備できるので、ダウンタイムの削減につながる。
メール通知機能では、事前に設定した特定のエラーの発生時、消耗品が閾値に到達した際にメールで知らせる。
レポート配信機能ではクラウド基盤上のデータを基にロボットの診断レポートを月1回自動配信する。総合評価や、タイミングベルトやグリス、減速機など消耗度の高い部品、発生したエラーなどを見える化する。
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