光通信入門事始め――古代の人々ののろしと同じように光で信号を送ってみよう:空間伝送で学ぶ光通信入門(1)(2/2 ページ)
光通信の基礎から応用までを紹介する本連載。第1回は、古代の人々が使っていたのろしと同じように光で信号を送る実験を行う。
光信号の実験システムの構成
それでは、古代の人々が使っていたのろしと同じように、光で信号を送る実験を行います。図2はその構成図です。
右側が送信側で、送信用の赤外線LEDとマイコン(Arduino)、そして送信の操作を行うキーで構成されています。送信側にマイコンが必要な理由は、詳細は後述しますが、受信側のモジュールとの兼ね合いである周波数の信号を乗せる必要があるからです。キーを押下すると赤外線LEDから赤外線信号が送出されます。
左側が受信側で、赤外線受信モジュールにモニター用のLEDであるD1(これは可視光)を接続しただけの単純な構成になっています。D2は赤外線を受信する赤外線ダイオードですが、これは赤外線受信モジュールに内蔵されています。
送信側と受信側は空間で仕切られています。要は光は透過しますが、電気的には完全に隔てられている状態です。
想定する動作としては、送信側のキーを押下すると、受信側のLEDのD1が点灯します。ただし、送る光は赤外線ですから人間の目には見えません。もし送信側のLEDが本当に光を送出しているのかを目で見たい場合は、スマートフォンのカメラを使えば確認することができます(ただし、最近のハイエンドスマートフォンは、色補正のために赤外線をカットするフィルターが入ってることがあるそうですが……)。
受信ユニット
図3は受信側で用いる赤外線受信モジュールOSRB38C9AAです。
このモジュールは本来赤外線リモコンの受信モジュールとして使われているものです。
3本のリード線には番号が付いており、左側の1番は受信モジュールの出力となり、オープンコレクターとなっています。真ん中の2番はGNDに接続します。右側の3番は+電源を供給します。供給電圧の範囲は2.7〜5.5Vです。
赤外線リモコンには38kHzの搬送波が使われています。このモジュールもそれに対応しており、38kHzの光信号のみを通すフィルターが内蔵されています。
図4は受信ユニットの回路図です。
モニター用のLEDであるD1は赤外線モジュールの出力がオープンコレクターなのでアノード側を抵抗を介して接続し、カソード側をモジュールの出力の1番に接続します。今回はRの抵抗値は100Ωにしています。
赤外線送信ユニット
図5は赤外線送信ユニットの回路図です。
ArduinoのD3ピンに抵抗R(100Ω)を介して赤外線LEDと接続します。D4ピンにはキーを接続します。このキーを押下すると赤外線が送信されます。
図6は赤外線LEDの「OSI5LA5113A」です。
波長940nmの赤外線を発します。詳細な仕様は、秋月電子通商のWebサイトなどに掲載されているデータシートをご確認ください。
リスト1は送信ユニットのマイコン(Arduino)で動作するプログラムです。
1: void setup(){
2: pinMode(3, OUTPUT);
3: pinMode(4,INPUT_PULLUP);
4: for(;;) if (digitalRead(4)==0){
5: PORTD |= 8;
6: delayMicroseconds(9);
7: PORTD &= ~8;
8: delayMicroseconds(17);
9: }
10: }
void loop(){};
3行目でキー入力はプルアップ抵抗付きで設定しています。
4行目でキー入力の値が0、すなわち押下されているときに、5〜8行のコードを実行します。PORTDに直接値を書き込んでいますが、8はD4のピンを示します。このピンを9μsオン、17μsオフにしています。周期が26μsですから、周波数は約38kHzになることが分かります。
実験してみよう
図7に実験を行っている様子を示します。
左下に見えるのがキーで、これを押下すると、その上にある送信ユニットから38kHzのキャリアを含む赤外線が送出されます。その対面にあるのが受信ユニットです。送信ユニットのキーを押下したときのみLEDが点灯することを確認しました。
おわりに
今回は、最もシンプルな方法で赤外線信号の送信と受信を確認しました。次回からはこれに何らかの符号を乗せる実験に移りたいと思います。お楽しみに。(次回に続く)
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