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BYDのプラグインハイブリッドシステムの全貌、日本市場は第4世代「DM-i」を投入電動化(1/3 ページ)

BYD Auto JapanがPHEVタイプのSUV「BYD SEALION 6」を発表。消費税込みで398万円2000円からという価格設定もさることながら、世界で初めてPHEVを量産化したとする同社のプラグインハイブリッドシステムにも注目が集まっている。

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 BYD Auto Japanは2025年12月1日、東京都内で会見を開き、日本市場投入モデルの第5弾で初のPHEV(プラグインハイブリッド車)となるSUV「BYD SEALION 6」を発表した。消費税込みで398万円2000円からという、国内自動車メーカーのPHEVタイプSUVと比べて100万円以上安価という戦略的な価格設定もさることながら、世界で初めてPHEVを量産化したとする同社のプラグインハイブリッドシステム(以下、PHEVシステム)にも注目が集まっている。

BYD Auto Japanの東福寺厚樹氏と「BYD SEALION 6」
BYD Auto Japanの東福寺厚樹氏と「BYD SEALION 6」[クリックで拡大] 出所:BYD Auto Japan

 BYD Auto Japan 代表取締役社長の東福寺厚樹氏は「日本市場ではEV(電気自動車)に対する航続距離、充電環境、車両価格という3つの壁がある。BYDはこれら3つの壁に真正面から向き合ってきたが、今回PHEVの投入でより幅広い顧客のニーズに応えていく。BYD SEALION 6は1000km超もの航続距離があり、ガソリンでも走行できることで充電環境を気にする必要がない。そして車両価格は、バッテリーに強いBYDのコスト競争力を反映したもので、400万円を切ってきたことに驚きの声もお聞きできている。今後もEVとPHEVのラインアップを拡充し、日本市場での乗用車ビジネスを加速していきたい」と語る。

「BYD SEALION 6」の外観「BYD SEALION 6」の外観「BYD SEALION 6」の外観 「BYD SEALION 6」の外観[クリックで拡大]
「BYD SEALION 6」のコックピット「BYD SEALION 6」の荷室「BYD SEALION 6」のエンジンルーム 左から、「BYD SEALION 6」のコックピット、荷室、エンジンルーム[クリックで拡大]

 BYD SEALION 6は、同社が2008年に量産PHEVを始めて市場投入してから第4世代となるPHEVシステム「DM-i」を搭載している。その走行モードは、バッテリーの電力を用いてモーターのみで走行するEV、エンジンによって発電する電力を用いてモーターで走行するシリーズハイブリッド、クラッチでエンジンをホイールに直結するとともにモーターによるアシストも行うシリーズパラレルの3つがある。

「DM-i」の3つの走行モード
「DM-i」の3つの走行モード[クリックで拡大] 出所:BYD Auto Japan

 DM-iはEVモードで走行する割合が多いため、EVと同等の静粛性の高い走りとスムーズな乗り味を特徴としている。電池充電容量が25%以下の場合でも、燃費計測モードのWLTC走行路で54%、市街地で81%をEVモードで走行するという。併せて、エンジンを発電のみに使うシリーズハイブリッドモードはWLTC走行路で28%、市街地で18%であり、エンジンの駆動力を走行に用いるシリーズパラレルモードの使用比率は最低限に抑えられている。なお、BYD SEALION 6が満充電からEVモードで走行できる距離は100kmだ。

「DM-i」はEVモードで走行する割合が多い
「DM-i」はEVモードで走行する割合が多い[クリックで拡大] 出所:BYD Auto Japan

 一方、高速道路ではシリーズハイブリッドモードが29%、シリーズパラレルモードが67%と高速走行を比較的苦手とするモーターに比重を置かずより効率の良いエンジンを多用する設定になっている。

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