リコージャパンが中堅中小製造業DXに注力、ネクスタ「SmartF」を1000社に導入へ:製造ITニュース(1/2 ページ)
リコージャパンとネクスタは、両社が主要顧客とする中堅中小製造業のDX推進への貢献を目指して資本業務提携契約を締結した。リコージャパンは、同社のDXエコシステムによって付加価値を高めたネクスタの中堅中小製造業向けクラウドサービス「SmartF」を、2030年までに1000社に導入する目標を掲げる。
リコージャパンとネクスタは2025年11月26日、東京都内で会見を開き、両社が主要顧客とする中堅中小製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進への貢献を目指して資本業務提携契約を締結したと発表した。リコージャパンは、同社のDXエコシステムによって付加価値を高めたネクスタの中堅中小製造業向けクラウドサービス「SmartF」を、2030年までに1000社に導入する目標を掲げる。また、ネクスタとの協業により、製造DX領域に特化して価値の高い提案を行える人材である「製造ソリューションエバンジェリスト」を2025年度末までに120人育成する方針である。
リコージャパンでは、2024年度における年間取引構成比で製造業顧客が全体の17.5%を占めている。そのうち中堅中小の製造業(年商10億〜300億円)が34.2%を占めている。
同社 取締役 常務執行役員 デジタルサービス企画本部長の宮本裕嗣氏は「当社が重要市場に位置付ける中堅中小製造業は、人手不足対応と生産性向上による収益改善が大きな課題になっている。これらの課題解決で大きな力を発揮するのがDXだが、国内の中堅中小製造業への導入が進んでいるとはいえない状況にある。このことは、中堅中小製造業へのDX導入の市場の伸びしろが大きいことを意味している。今回提携を発表したネクスタのSmartFを軸に、アプリケーション間のデータ連携による自動化にエッジデバイスやサポート&サービスを組み合わせる当社のDXエコシステムを融合した製造業版DXエコシステムを展開し、中堅中小製造業の生産性/収益性向上に貢献していきたい」と語る。
この製造業版DXエコシステムの事業展開を拡大する上で重要なのが人材育成だ。リコージャパンは2024年度から展開している新人事制度に基づき、DXエコシステムと関わる762人のスペシャリストを認定している。2025年度は、新たな分野特化型のスペシャリスト認定を拡充する方針であり、その1つが製造ソリューションエバンジェリストである。育成目標人数は120人だ。
この製造ソリューションエバンジェリストを中核とする製造業版DXエコシステムと関わる人材育成でもネクスタとの協業によるシナジーを生かす。ネクスタはSmartFの開発と顧客への提案/現場実装を経て得た知見に基づき作成した、製造業顧客に対する営業向けプレイブックや導入支援マニュアルなどの教材を多数有している。これらの教材の共有に加え、両社間の人材交流や、ネクスタのノウハウのAI(人工知能)エージェント化などにより、製造業の知識に長けた顧客と伴走できる人材の育成を強化していく方針だ。
宮本氏は「リコージャパンには約100万事業所の顧客基盤があり、製造業版DXエコシステムによって製造DXをトータルで提供でき、多彩なデータ連携も行える。中核となるネクスタのSmartFは、中堅中小製造業が求めるスモールスタートが可能であるとともに、製造業に特化した高い課題解決能力を持つクラウドサービスだ。これらの強みを生かして、2030年までにリコージャパンの顧客1000社への導入を目指す」と意気込む。
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