AI機能とプラットフォーム連携を強化した「SOLIDWORKS 2026」:CADニュース(1/2 ページ)
ダッソー・システムズは、3D設計開発ソリューション「SOLIDWORKS」の最新バージョン「SOLIDWORKS 2026」に関する記者説明会を開催した。最新版では“業務効率化と工数削減”をテーマに、AI機能の搭載と「3DEXPERIENCEプラットフォーム」との連携強化が図られている。
ダッソー・システムズ SOLIDWORKS事業は2025年11月14日、年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2025」に併せ、3D設計開発ソリューション「SOLIDWORKS」の最新バージョン「SOLIDWORKS 2026」に関する記者説明会を開催した。SOLIDWORKS 2026は同年11月15日から販売を開始している。
“使いやすさ”の追求とともに、業務効率化と工数削減にフォーカス
2025年は、SOLIDWORKSの1995年のファーストリリースから30年の節目に当たる。これまで同社はユーザーの声を反映しながら機能開発を進めており、搭載機能の90%以上がユーザーの要望に基づくものだと説明する。“使いやすさ”へのこだわりも継続しており、「SOLIDWORKS 2007」以降で導入された「SOLIDWORKS Intelligent Feature Technology(SWIFT)」もその一例だ。「SWIFTはCAD初心者でもエキスパートのように操作できる支援機能であり、広い意味でAI(人工知能)機能だといえる」と、ダッソー・システムズ SOLIDWORKS営業技術部 プロダクトマーケティングの遠藤尚人氏は語る。
前回の「SOLIDWORKS 2025」のリリース以降、サービスパック(SP)を通じた機能強化も継続的に進められてきた。SP1からSOLIDWORKS 2026までの間に追加された強化項目は400以上に上る。遠藤氏は、近年のソフトウェア業界全体でSaaS(Software as a Service)化が進み、アップデート頻度が高まっている状況を踏まえ、「SOLIDWORKSもSaaS製品と同じスピード感で新機能を提供する体制を整えている」と説明した。
こうした開発方針の下、SOLIDWORKS 2026では“業務の効率化と工数削減”を主テーマに掲げ、AI機能の搭載と「3DEXPERIENCEプラットフォーム」との連携強化を重点的に進めた。
「SOLIDWORKS 2026」の主な機能強化ポイント
コマンド予測
AIを活用した新機能の1つが「コマンド予測」である。ユーザーが次に実行する可能性が高い操作をAIが推定し、メニュー上部の予測タブに提示する。例えば、3Dモデルの作成中はスケッチ作成や押し出し、スケッチモードでは寸法記入や線、円の作図など、操作に応じたコマンドが優先表示される。従来は必要なコマンドを探す手間で設計から操作へ意識が切り替わってしまう場面があったが、この機能により設計の流れを途切れさせずに作業を継続できる。
スマート合致
締結部品を自動認識し、適切な位置に合致させる「スマート合致」もAIによる支援機能だ。ナットやワッシャーをボルト付近にドラッグするだけで自動的にスナップし、合致設定まで完了する。SOLIDWORKSで作成した部品だけでなく、Webからダウンロードした締結部品にも対応しており、形状を基にAIが認識して合致を支援する。「締結部品が多いアセンブリでは、手作業の負担を大幅に軽減できる」と遠藤氏は述べる。
図面の自動生成
「図面の自動生成」機能も効率化に寄与する。3DEXPERIENCEプラットフォームに接続することで、3Dモデルから三面図、アイソメ図、主要寸法をAIが自動生成し、設計者がモデリングを進めている間に図面の下地が完成する。「完全な図面が自動生成されるわけではなく、位置合わせや追加寸法の調整は必要だが、従来に比べて図面作成工数を大幅に削減できる」と遠藤氏は説明する。
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