モーションネットワークはEtherCAT採用、安川電機が新マシンコントローラー:FAニュース
安川電機は、新マシンコントローラー「iC9000シリーズ」の販売を開始した。
安川電機は2025年11月6日、新マシンコントローラー「iC9000シリーズ」の販売を開始したと発表した。
プログラム言語はPLC言語IEC 61131-3に準拠
iC9000シリーズは、安川電機が提唱するソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を実現するコントローラーソリューションとなる、「iCube Control(アイキューブコントロール)」の新シリーズとなる。その第1弾として、マシンコントローラー「iC9200」モデルのiC9226M-ECとiC9226M-FSoE(機能安全対応)の2機種を展開する。
アプリケーションプログラム開発言語として、国際規格化されたPLC言語IEC 61131-3に準拠しており、ラダーダイアグラム(LD)、ファンクションブロックダイアグラム(FBD)、構造化テキスト(ST)、シーケンシャルファンクションチャート(SFC)をサポート。PLCopenのMotion Control FBライブラリを使用し、モーション制御アプリケーションのプログラムが作成可能となっている。
モーションネットワークには、グローバルに普及しているEtherCATを採用。最小通信周期500μsでサーボ、インバータ、I/Oといった多様な機器を接続できる。同社のACサーボサーボドライブ「Σ-Xシリーズ」との組み合わせにより、サーボ性能を最大限に活用したモーション制御アプリケーションを実現する。EtherCATとは別にEthernetポートを2ポート搭載しており、PROFINET I-DeviceやEtherNet/IPなどの産業用ネットワークも使用可能だ。
iC9000シリーズの「iC9226M-FSoE」は、安全PLC(プログラマブルロジックコントローラー)の機能を搭載しており、Safety over EtherCAT(FSoE)に対応。EtherCATの機能安全デバイスも使うことができる。SIL3(Safety Integrity Level)に対応した安全プログラミング環境が統合されており、安全部および非安全部のロジックとモーションを1つのエンジニアリングツール(iCube Engineer)でプログラミングできるため、機能安全システムを容易に構築できる。
iC9000シリーズは2025年11月19日〜21日に東京ビッグサイトで開催される「IIFES 2025」の安川電機ブース(東4ホール、4-02)に展示される。
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