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AI活用が鍵 パナソニック コネクトが現場から始める物流ソリューションを披露国際物流総合展2025(1/3 ページ)

パナソニック コネクトは「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」において、「現場から始める全体最適化」をコンセプトにした、物流/サプライチェーンDXソリューションを披露した。

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 パナソニック コネクトは「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」(2025年9月10〜12日、東京ビッグサイト)において、「現場から始める全体最適化」をコンセプトにした、物流/サプライチェーンDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを披露した。

パナソニック コネクトが参考出展した自律走行搬送ロボット連携デモンストレーションの様子。WESと連携させた自律走行ロボットの画面に表示されている内容に従うことで、作効率良くピッキングできる[クリックで再生]

製造業とサプライヤーをデータでつなぐソリューション

 「サプライチェーン全体エリア」では、流通/製造業における「需要/供給/在庫」の計画業務を、AI(人工知能)を活用してサポートする計画系ソリューションを披露した。同エリアのソリューションは、組織や企業といった壁を越えたタイムリーな情報連携を可能にし、パナソニック コネクトが掲げるデータ連携の概念を体現している。

 パナソニック コネクト傘下のブルーヨンダー(Blue Yonder)が展開する「Blue Yonder Network」は、製造業の需要見込みに対して計画の変更や需要の調整をリアルタイムで可能にし、多数のサプライヤーが企業間の壁を越えて、1つのクラウドデータプラットフォーム上でつながることができる。

 パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニー 現場サプライチェーン本部 SCM事業部センター ダイレクターの小笠原隆志氏は、「日本では紙やExcelなどを活用しながらデータをつないできたが、これらの作業を担う人に大きく依存する形で事業を維持する仕組みだった。これからは、時代の変化に合わせて人手が減り、求められるスピードが上がっていき、従来のやり方では追従できなくなってしまう。われわれのソリューションはこのような状況に対応するだけでなく、業務の連携基盤を業界やメーカー、サプライヤーの間の壁を超えて構築できるようになっている。企業間の壁を超えて連携していく世界を目指したい」と語る。

 製造業の中には営業や製造、管理/調達といった部門の間で壁が存在し、他部署から情報が来ない、アナログなやり方で需要計画を渡すなど、情報の分断が起こりやすい環境が存在している。これによりリアルタイムのデータ連携ができずに、無駄な作業が生まれて生産に遅れが発生し、結果的に納期遅れが起こる可能性がある。

 このような問題を解決するソリューションが「Blue Yonder Demand and Supply Planning」である。同サービスは、1つのプラットフォーム上で需給計画や販売計画を1つにまとめてつなげ、快適で迅速な意思決定を実現できる。同サービスでは、AIエージェントが需給計画上のリスクや機会を特定して作業者に知らせてくれる「自動レポート」機能で日々の業務をサポートする。

「Blue Yonder Demand and Supply Planning」の概要
「Blue Yonder Demand and Supply Planning」の概要[クリックして拡大]出所:パナソニック コネクト

 また、業務用語をAIに学習させて、知らない単語が出てきたらその単語をAIに質問する、在庫品の中から消費期限が切れそうな品をAIにピックしてもらうなど、顧客独自でインプットしたデータから必要な情報を取り出すことが可能である。これらのようなAIエージェント機能も、現場のデータがデジタル化されて、色んな部門で使える状態にしないと意味がない。小笠原氏は「日本企業はまず、デジタル基盤を作る所から始めないといけない状況に置かれている」と強調する。

 昔から存在するシステムを新しく刷新するという作業については、現場からは面倒くさいという声が上がる可能性が高い。このことについて小笠原氏は「大きな業務改革をする際は、組織のトップがプロジェクトをしっかりと動かしていかないとなかなか厳しい。現場の方々は今までのやり方で習熟しているため、それを変えるとなると心理的抵抗が生まれてしまう。そのため、組織のトップから他の社員に対して『この変革はこういう目的がある。だから一緒に変えていこう』といった積極的な働きかけをすることが重要になる。業務変革の目的/マインドは、現場の人間やプロジェクトメンバーが腹落ちするまで伝え続けると効果がある」と述べる。

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