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イチから全部作ってみよう(23)業務フロー図があれば“伏魔殿”も理解可能に山浦恒央の“くみこみ”な話(192)(1/3 ページ)

ソフトウェア開発の全工程を学ぶ新シリーズ「イチから全部作ってみよう」。第23回は、円滑なソフトウェア開発に向けて発注側と開発側が相互に歩み寄るために生まれた業務フロー図について説明する。

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1.はじめに

 山浦恒央の“くみこみ”な話の連載第170回から、入門者をターゲットとして、「イチから全部作ってみよう」というシリーズを始めました。このシリーズでは、多岐にわたるソフトウェア開発の最初から最後まで、すなわち、要求仕様の定義、設計書の作成、コーディング、デバッグ、テスト、保守までの「開発フェーズ」の全プロセスを具体的に理解、経験することを目的にしています。

 興味がある方は、連載第170回からのバックナンバーをご覧ください。

⇒連載「山浦恒央の“くみこみ”な話」バックナンバー

2.前回の振り返り

 前回は、ECサイトのシーケンス図から、システム全体の処理の流れとやりとりを時系列で表現しました(図1)。

図1
図1 ECサイトのシーケンス図[クリックで拡大]

 本記事のように、ドキュメントを文章形式で記述することも大事ですが、図にすると全体像を把握しやすくなるのでオススメです。今回は、より業務の流れに着目して、業務フロー図を作成します。

3.業務フロー図の概要

3.1 業務フロー図とは

 業務フロー図とは、業務の一連の流れを図で表したものです。例として、ATMで現金を引き出す場合の業務フロー図を以下に示します(図2)。

図2
図2 ATMの引き出し処理の業務フロー図[クリックで拡大]

 図2は、ATMの「引き出し」に限定した業務フローです。ユーザーがキャッシュカードを挿入し、ATMがお金を出すまでの一連の流れを把握できます。

3.2 業務フロー図を記述するメリット

ATM
※写真はイメージです

 業務フロー図のメリットをまとめます。

3.2.1 現状のフローを明確にできる

 業務フローを作成することで、処理の流れがどのように進行するか視覚的に把握することができます。

3.2.2 手戻りを防げる

 業務フロー図を作成する過程で、要求仕様書に潜む曖昧な記述や、抜け漏れを発見しやすくなります。例えば、図2のATMの例では、「暗証番号が一致しなかった場合の処理が抜けている」「ATM内のお金が足りない場合はどうするか」といった点に気付くことができるでしょう。

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