NECとIFSがパートナーシップ強化、SCMをベースに設備管理やサービス部門支援強化:製造ITニュース
NECは、IFSとの戦略的なパートナーシップを強化する。以前から提供していたサプライチェーンマネジメントに加え、両社の知見を組み込んだ新たなサービスを、国内外の顧客に広く提供する。
NECは2025年5月30日、IFSとの戦略的なパートナーシップを強化すると発表した。AI(人工知能)など、両社が有するアセットを組み合わせた新サービスの創出と、セキュアなクラウドサービスの提供を目指す。
NECは、1997年にIFSとパートナー契約を締結し、IFSのサプライチェーンマネジメントサービスを「BluStellar(ブルーステラ)」として提供してきた。IFSは産業用AIソフトウェアを手掛ける企業で、サプライチェーン以外にも、設備の維持管理やアフターサービス業務などを支援するソリューションを有している。
今回、パートナーシップを強化することで、以前から提供していたサプライチェーンマネジメントだけではなく、設備の維持管理やアフターサービス業務など、IFSの多様なソリューションをNECが提供可能になる。製造業中心だったサービス展開を航空産業など他業種にも幅広く拡大し、デリバリー体制を強化して迅速なクラウドサービスを提供する。
具体的には、国内のデータセンターでIFSのコンポーネント型グローバルERPパッケージ「IFS Cloud」の提供環境を共同構築する。候補地としては、NEC印西データセンターなどが挙げられている。
また、国内市場向けに新たなサービスを共同開発する。NECの知識をIFS Cloudの標準機能に組み込み、IFS ApplicationsからIFS Cloudへと安全にアップグレードする手法を開発できないか検討する。
AIサービスの共同開発にも取り組む。調達取引におけるサプライヤーとの交渉や調整を自動化するAIなど、BluStellarが備えるAI技術をIFSのソリューションに組み込み、IFSの世界の顧客に提供する。NECは、IFSのAIサービス「IFS.ai」を利用して、日本やアジアなどの顧客のAI活用を推進する。
さらに高度なスキルを持つ人材を積極的に育成し、協力してデリバリー体制を強化することで、顧客に対し高品質なサービスをより迅速に提供できるよう注力する。
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