三菱ケミカルグループのケミカルズ事業が黒字に トランプ関税の影響は軽微:製造マネジメントニュース(2/3 ページ)
三菱ケミカルグループは、2025年3月期通期の決算で、売上高は前年同期並みの4兆4074億円となるも、営業利益は同25%減の1967億円となった。
ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントは減益に
MMA&デリバティブズセグメントの売上高は同16%増の4021億円で、コア営業利益は同542%増の353億円となった。同セグメントのコア営業利益は、MMAモノマーなどの市況上昇による売買差の改善などで増加した。
同セグメントはMMAサブセグメントとコーティング&アディティブスサブセグメントで構成される。
MMAサブセグメントでは、MMAモノマーなどの需要減少があったものの、MMAモノマーなどの市況上昇に加え、為替影響により売上高は増えた。コーティング&アディティブスサブセグメントでは、塗料、接着剤、インキ、添加剤用途などの需要が緩やかに回復したことによる販売数量増加の他、販売価格の維持/向上により売上高は伸長した。
ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントの売上高は同12%減の9724億円で、コア営業利益は156億円の減益となった。同セグメントのコア営業利益は、炭素事業を中心に在庫評価損益が悪化したものの、ポリオレフィンなどにおいて原料と製品の価格差が拡大したことなどにより改善した。
同セグメントは、マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントと炭素サブセグメントで構成される。
マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントでは、為替影響や原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したものの、高純度テレフタル酸事業における特定子会社の株式譲渡の影響や各種製品の需要が減退したことによる販売数量の減少などで売上高は減少した。
炭素サブセグメントでは、コークス事業における特定子会社の株式譲渡の影響や需要低迷に伴う販売数量の減少、原料価格の下落などに伴うコークス販売価格のダウンにより、売上高は減った。
ケミカルズ事業の売上高は同2%減の2兆6460億円で、コア営業利益は469億円となった。三菱ケミカル 執行役員 最高財務責任者の木田稔氏は「ケミカルズ事業のコア営業利益は、前期の112億円の赤字から大幅に改善し、469億円の黒字となった」と述べた。同事業はファーマセグメントと産業ガスセグメントから成る。ファーマセグメントの売上高は同5%増の4603億円で、コア営業利益は同16%の654億円となった。
同セグメントでは、国内医療用医薬品で薬価改定の影響や、選定療養制度も含む後発品の浸食拡大などの影響を受けたものの、米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA ORS」の伸長、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」の順調な立ち上がりにより、売上高とコア営業利益ともに増加した。
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