フランスの倉庫ロボットプロバイダーであるExotecは、倉庫内業務をより広く効率化し工程集約などが可能な「Skypodシステム」の次世代バージョンを発表した。
フランスの倉庫ロボットプロバイダーであるExotecの子会社であるExotec Nihonは2025年2月7日、倉庫内業務をより広く効率化し工程集約などが可能な「Skypodシステム」の次世代バージョンを発表した。新型ロボットにより自動倉庫棚の高密度化を実現する他、ソフトウェア機能の強化により、倉庫外システムとの連携で、倉庫業務のさらなる効率化を実現する。
Exotecは、2015年に創業した倉庫自動化ソリューションのベンチャー企業である。ロボットを使用した自動倉庫システムであるSkypodシステムが高い評価を受け、フランス工業会初のユニコーン企業(創業10年以内で評価額が10億ドル以上の非上場企業)となったという。売上高も年率2倍ペースで成長しており、日本でもユニクロなどを運営するファーストリテイリングやヨドバシカメラ、日本通運など数多くの導入実績があり、成長を続けている。
日本を含むアジアパシフィック地域の事業戦略について、Exotec Nihon 代表取締役で、アジアパシフィック地域社長の立脇竜氏は「物流倉庫のトータルソリューションベンダーとして、マテリアルハンドリング(マテハン)企業のトップ5に入ることが目標だ。Skypodを通じて、コストセンターとして苦しい立場にある物流をプロフィットセンター化し、持続可能な物流システムにつなげていく」と語っている。ターゲットとしては、小売りや食品卸、アパレルに加え、Eコマース、ヘルスケア、製造業、3PL(サードパーティーロジスティクス)などを位置付けている。
Skypodシステムの新製品は、ロボットなどのハードウェア面、外部システム連携などのソフトウェア面の両面で進化させたことで、1台のワークステーションでの処理能力は従来品よりも50%、保管能力は最大30%向上したことが特徴だ。
Skypodシステムは、前後左右上下に移動できるSkypodロボットと実際に荷物を収納する棚であるストレージ、オペレーターが作業するワークステーション、入出庫を行うエクスチェンジャーで構成されている。ロボットの耐荷重は約30kgで、秒速4mで移動する。動作環境は0~40℃で冷凍環境では使用できない。
新製品では、ハードウェア面でまずロボット本体をコンパクト化した他、動作方式を従来の3Dレーザーで周辺を認識する方式から、カメラで地面に設置されたガイド線を見る方式に変更したため、ストレージに必要だったスペースを圧縮できる。同じビン数で比較した場合、必要面積を30%削減できるようになったという。さらに、従来は高さ12mまでのストレージへの対応だったが今回は14mまで対応しつつ、従来同様の「2分以内に作業者のもとに搬送」という基準を満たしたという。
立脇氏は「従来はロボット用の通路を用意していたが、新製品では棚の下を走るようになり、通路専用のスペースは不要となった点が大きい。ロボットもテープを読み取る方式とし、動作を前後左右上下だけの動きにして方向転換を行わないようにした点も動作速度向上につながっている」と語っている。
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