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家電だけじゃない! パナソニックEWと海外電材事業、ベトナムで目指すダントツ1番モノづくり最前線レポート ベトナム編(1)(1/2 ページ)

 日本国内の人口減少や社会の成熟を背景に、海外市場獲得の重要性はますます高まっている。パナソニックでは今、成長領域の1つとして海外電材事業を挙げている。本稿では、電材事業を担うパナソニック エレクトリックワークスの海外展開、特に重点国にも選ばれているベトナムの事業環境について現地から紹介する。

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 日本国内の人口減少や社会の成熟を背景に、海外市場獲得の重要性はますます高まっている。パナソニックでは今、成長領域の1つとして海外電材事業を挙げている。本稿では、電材事業を担うパナソニック エレクトリックワークス(パナソニックEW)の海外展開、特に重点国にも選ばれているベトナムの事業環境について現地から紹介する。

アジア中心に高いシェアを持つ配線器具

 パナソニック エレクトリックワークスにはパナソニックグループの電気設備、エネルギーソリューション関連の事業が集約されている。ライティング事業部、電材&くらしエネルギー事業部などを擁し、住宅用や施設用の照明、エネファームや純水素型燃料電池、スイッチやコンセントなどの配線器具、マンション向けのインターフォンなどを展開している。 

 パナソニック エレクトリックワークスは国内外の建設需要に支えられて2023年3月期は前年度比4%増の1兆486億円を売り上げ、645億円の利益を稼いだ。2024年度も前年度比2%増の売上高1兆600億円、営業利益680億円を見込んでいる。その成長を支えるのが海外電材事業だ。


パナソニックエレクトリックワークスの事業領域[クリックで拡大]出所:パナソニック エレクトリックワークス

 パナソニック エレクトリックワークスとしては1985年頃から輸出を含めた海外事業が始まっている。1987年にはタイ、台湾に電設資材の工場が設立され、インドネシアでも蛍光灯の生産を開始している。現在は100以上の国と地域に事業を拡げており、代理店を通した配線器具販売の伸長と周辺商材、周辺地域への展開を進めていった結果、同社の調べによれば配線器具では日本に加え、タイやインドネシア、ベトナム、インド、トルコ、台湾などで市場シェアが1位となっており、世界シェアが2位、アジアシェアでは1位になっているという。


パナソニックの製品を扱うベトナムの電材店[クリックで拡大]

ベトナムの電材店ではパナソニックや地元メーカー、欧州企業の製品も並ぶ[クリックで拡大]

パナソニック エレクトリックワークスの松本亮氏

 パナソニック エレクトリックワークス 電材&くらしエネルギー事業部 電設資材ビジネスユニット 戦略企画統括の松本亮氏は「工場設立などの大規模な投資や代理店をはじめとした販売網の構築、日本で培ったSCM(サプライチェーンマネジメント)を適切に展開したことが成功の要因と考えている」と話す。

 同社では、特に市場成長性の高いインド、ベトナム、トルコの3カ国を重点国として定め、生産能力や販路、サプライチェーンの強化を推し進めている。そしてインドからは南アジアや中東、東アフリカ、トルコからは欧州や北アフリカなど周辺地域への輸出も将来的に見据えている。

 これら3カ国はそれぞれGDP成長率を上回る売り上げの成長を遂げている。海外電材事業の2024年度の売り上げは2700億円になる見通しだが、3つの重点国の売り上げを合わせると1500億円に上り、特にインドだけで1000億円の売り上げを計画する。


配線器具のグローバルシェア[クリックで拡大]出所:パナソニック エレクトリックワークス

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