サイロ化する日本の製造業にこそ、ワークフローのデジタル管理がハマる理由:製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)
サイロ化する部門の壁を超えて部門間連携を進めやすくするために期待されているのがデジタルワークマネジメントプラットフォームだ。同ツールを展開するWrike CPOのアレクシー・コロティッシュ氏とWrike Japan 日本カントリーマネジャーの泉谷浩成氏に話を聞いた。
日本の製造業は高効率、高品質な部門内作業を磨いてきた一方、組織の壁が高くなり、部門をまたいだ連携に課題を抱えており、新しい取り組みを行おうとしても組織間調整で疲弊し進まないケースがよくある。この組織の壁を越えたコラボレーションを効率的に行うために注目されているのが、デジタルワークマネジメントプラットフォームである。
「組織の壁が厚い日本企業にこそ、デジタルワークマネジメントプラットフォームが効果的だ」と訴えるWrike CPO(Chief Product Officer)のAlexey Korotich(アレクシー・コロティッシュ)氏と、日本法人Wrike Japan 日本カントリーマネジャーの泉谷浩成氏に話を聞いた。
コロナ禍でデジタルワーク管理の利用が拡大
Wrikeはクラウド型のワークマネジメントプラットフォームを提供する企業で2006年にサービスを開始している。導入企業はグローバルで2万社、国内で約1900社となっており、日本でも導入を急速に広げている。
ワークマネジメントプラットフォームは、プロジェクトや進行中の業務のプロセス、タスクなどをデジタル基盤上で管理する仕組みで、IT系の開発領域でよく使われてきた。日本の製造業では、同様のプロジェクト管理の仕組みをアナログで高度に実現する仕組みを採用していたが、モノづくりの複雑性が高まっている他、DX(デジタルトランスフォーメーション)などを通じて部門をまたいでさまざまなプロジェクトを推進しなければならないことが増える中で、導入が増えてきているという。
コロティッシュ氏は「導入が増えるきっかけとしては、コロナ禍があった。リモートワークをせざるを得なくなり、職場で見えていた作業内容などが見えなくなった。そこでデジタル基盤上でワークマネジメントを行うことが求められて、製造業でも利用が増えた。現在は、知的財産管理や組み込みソフトウェアの管理、パッケージデザインの企画や品質管理、人事部門など、幅広い使われ方をしている」と説明する。
Wrikeの特徴と製造業での活用事例
Wrikeの特徴は、プロジェクトや業務の変化をデジタルワークマネジメントプラットフォーム上でリアルタイムに把握できるようにし、横断的に情報を集約できることでコミュニケーションを一元化できるという点だ。さらに、Wrikeを活用することで部門を横断する業務の管理を容易に行うことができる。サイロ化され閉鎖的なデータの活用を容易に部門横断で行えるようになる。
「最も大きな導入事例では、20万ユーザーが契約している。ただ、1部門など小さなチームで導入されるケースもある。さまざまな規模で導入しても価値が生み出せることがWrikeの特徴だ。一部の部門から導入を始めて、複数部門で共通のコラボレーション基盤として活用するケースなどもある」とコロティッシュ氏は述べている。
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