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イチから全部作ってみよう(15)テストの第一歩「セルフチェック」が大惨事を防ぐ山浦恒央の“くみこみ”な話(184)(2/3 ページ)

ECサイトを題材にソフトウェア開発の全工程を学ぶ新シリーズ「イチから全部作ってみよう」がスタート。シリーズ第15回は、ここまで作成してきた要求仕様書に対するテストの第1段階となる「セルフチェック」について説明する。

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4.セルフチェックの方法

4.1 期末テストだったら

 「セルフチェック」と格式高く言っていますが、やっていることは期末テストの見直しと大差ありません。例えば、数学の因数分解の例で説明します(図2)。

図2
図2 因数分解の見直しの例[クリックで拡大]

 図2は、因数分解問題の見直しをしている例です。例えば、「式がちゃんと整理できているか」「解がそれらしいか」「符号があっているか」など頭でシミュレーションします。場合によっては、解答の裏面を使って解き直す必要があります。

4.2 要求仕様書のセルフチェック

 要求仕様書のセルフチェックでも、1文ずつ読み進めていき、脳内シミュレーションをします。実際に、たこ焼き模擬店の釣銭切れの例で考えてみましょう(図3)。

図3
図3 セルフチェックの例(たこ焼き模擬店の要求仕様からの抜粋)[クリックで拡大]

 図3は、セルフチェックの例を示したものです。要求仕様書を1文ずつ確認し、不備を見つけます。目印となるようにラインマーカーで着色したり、コメントを入れたりしてもよいでしょう。この例では、「釣銭切れの用意するお金に、500円、50円、10円がなくてもよいのか」というバグを見つけていますね。バグを見つけたら、要求仕様書を修正します。

 同時に、バグが見つかった場合は、バグレポートを作成しましょう(表1)。

No. 指摘事項 指摘箇所 ステータス
1 バグ:
500円、50円、10円は用意しないと、価格設定の自由度が下がる
修正方法:
500円、50円、10円を用意する
5.9.3 修正済み
2 バグ:
お客が怒る可能性があるため、丁寧にピッタリ払うように伝える
修正方法:
お客が怒らないように、「丁寧」に釣銭切れを伝える文面に修正する
5.9.4 修正済み
3 バグ:
用意する釣銭の量が少ない
修正方法:
「10万円の1000円札にする」に修正する
5.9.4 未修正
表1 バグレポートの記述例

 表1は、バグレポートの記載例です。バグの内容を分析し、どんなバグが多いか、どの機能のバグが多いか等を分析し、バグの多い箇所や、類似のバグをさらにチェックします。バグレポートには、バグのページ番号や項番、バグの内容と修正方法、ステータスを記載します。これでセルフチェックは完了です。

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