東武特急の在り方を変えた「N100系スペーシア X」は新技術満載:鉄道大研究(2)(1/4 ページ)
2023年7月にデビューした東武鉄道の特急列車「N100系スペーシア X」がブルーリボン賞を受賞した。受賞式の模様や、新技術をふんだんに取り入れたN100系スペーシア Xの魅力をお伝えする。
「浅草からここ(東武日光)まで、スペーシア Xに乗って、ワクワクワクワクとして、この贈呈式に臨むことができました。
(中略)
こんなワクワク感を持って、贈呈式に臨んだのは初めてでございます」
2024年10月27日(日曜日)、東武鉄道(以下、東武)日光線東武日光駅で開催されたN100系スペーシア Xの鉄道友の会ブルーリボン賞受賞式で、同会 会長の佐伯洋氏の声が弾んだ。それだけ何度見ても魅力的な車両に映るのだろう。受賞式の模様やN100系スペーシア Xの魅力をお伝えしよう。
1年3カ月で70万人が乗車
鉄道友の会ブルーリボン賞は前年デビューの新型車両(ジョイフルトレインなど、大幅に改造された車両も含む)を対象に、最優秀車両を会員の投票で決める。プロ野球に例えるなら新人王といったところ。映画のブルーリボン賞、プロ野球のMVPや新人王とは異なり、記者投票がない。
選考委員長の尾藤千秋氏によると、N100系スペーシア Xは支持率62.3%の第1位で、ブルーリボン賞に選定されたという。ちなみに東武がブルーリボン賞を受賞するのは、1991年の100系スペーシア以来、33年ぶり2回目。
N100系スペーシア Xは2023年3月に登場し、7月15日(土曜日)にデビュー。1990年に登場した100系スペーシアに代わるフラッグシップ車両で、2024年春までに4編成が投入された。
「昨年(2023年)の7月15日、デビューして以来、1年3カ月がたちましたが、70万人を超えるお客さまに御利用いただいており、現在、大変な人気を博しているところでございます」
受賞式では、東武鉄道 社長の都筑豊氏がN100系スペーシア Xの受賞について、幸せや喜びをかみしめた。東武特急の浅草−北千住間はガラガラな列車が多い中、N100系スペーシア Xは始発駅の浅草から活気がある。しかも2017年4月21日(金曜日)以降、閉鎖された5番線を改装し、専用ホームに充てたことで特別な雰囲気を演出した。
その甲斐もあり、始発から終点までN100系スペーシア Xの旅を楽しみたい人が多いようだ。2024年10月27日(日曜日)の日光線上り特急は空席ありの列車が多い中、N100系スペーシア Xは全列車満席。1日6往復という少なさもあり、人々に“プレミアム感”が高い印象を与えた。
N100系スペーシア Xのブルーリボン賞受賞を記念し、車体側面に記念のロゴを披露。また、車内の“お約束”であるブルーリボン賞のプレート掲示は、東武側の希望でN100系スペーシア Xの意匠を凝らしたエクステリアに合うデザインとなり、ブルーリボン賞に新風を吹かせた。
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