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表面実装機を応用したセルハンドラーが進化、11兆円市場を狙うFAニュース(1/2 ページ)

ヤマハ発動機は細胞ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER 2」を2025年3月から販売する。

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 ヤマハ発動機は2024年11月14日、細胞ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER(セルハンドラー) 2」を2025年3月から販売すると発表した。表面実装機を中心とする産業用ロボット技術を応用して2017年に発売した「CELL HANDLER」の後継モデルとなる。ユーザーからのフィードバックを基に改良した。

 2017年発売の初代セルハンドラーは日系製薬企業や産総研など国内外の研究機関で採用実績があるが、日本国内での導入が中心だった。後継モデルでは欧米への販売を強化し、セルハンドラー2を含む医療・健康分野を年商数十億円規模のビジネスに育てていきたい考えだ。

 セルハンドラー2は、新薬開発候補品の発見や細胞医療のプロセス開発をターゲット市場としている。年平均成長率は17%で2030年には11兆円の市場規模が見込まれているという。


2025年3月に発売するセルハンドラー2[クリックで拡大]

セルハンドラーとは


セルハンドラー2の基本仕様[クリックで拡大] 出所:ヤマハ発動機

 セルハンドラーは、新薬開発の実験で効率を向上し、作業を精緻化するために開発した。以前は、対象となる細胞を顕微鏡も使いながら手作業で選び、培養プレートに移動させていた。

 近年、新薬の開発費は増加傾向にあり、iPS細胞など幹細胞を用いた創薬の研究や、培養が複雑な3次元細胞モデルを扱う非臨床試験では、細胞の取り扱いの効率化や精緻化が求められていた。また、工程の自動化や省力化などもニーズが高まっており、手作業には限界がある状況だった。

 初代セルハンドラーは、やわらかく壊れやすい細胞に合わせた吸引/吐出技術と画像認識技術により、手動では困難な速度と精度で細胞を選択して1つ1つ移動させる自動化を実現した。

 また、移動させた細胞を撮像し、画像をデータ化することにも対応した。後継モデルは、研究者の日常的な使用を想定し、吸引と吐出だけでなく、観察や解析などさまざまな工程における作業の効率化を目指した。

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