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Ansysが語る、エンジニアリングシミュレーションの最新動向CAEニュース(1/2 ページ)

アンシス・ジャパンは年次イベントに合わせて記者説明会を実施した。

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 アンシス・ジャパンは2024年10月23日、年次イベントに合わせて記者説明会を実施した。エンジニアリングシミュレーションの最新動向や、これに対応するマルチフィジックスシミュレーションなどの製品について説明した。

自動運転やロボット、火星探査まで

 説明会に出席したAnsys Distinguished Engineerのラリー・ウィリアムズ氏は「製品の設計と開発は根本的な変化を遂げつつある」と述べた。先進的な素材による半導体や、ソフトウェアによって製品が複雑化しているためだ。

 これに対応するのが、Ansysが取り組む技術革新の5本柱で、(1)数値計算、(2)GPUによるハイパフォーマンスコンピューティング、(3)AI(人工知能)と機械学習、(4)全世界のエンジニアが協働するためのクラウド、(5)デジタルエンジニアリングが含まれている。


5本柱の技術革新[クリックで拡大] 出所:アンシス・ジャパン

 AnsysはNVIDIAと長年にわたってパートナーシップを築いてきた。NVIDIAが2024年3月に発表した新たなGPUアーキテクチャ「Blackwell」により、Ansysのシミュレーションも進化するという。例えば、「Ansys Perceive EM」は、複雑な無線通信の環境に対応した新しいツールだ。建物が多い場所でアンテナと基地局の間で電波がどのように散乱するかを計算できる。NVIDIAのシミュレーション基盤「Omniverse」で信号伝搬に対する運動関連の環境影響も評価できる。

 また、NVIDIAのOmniverseとAnsysのツールを組み合わせた倉庫のシミュレーション「Omniverse Warehouse」もパートナーシップの成果だ。シミュレーションデータを使ってディープラーニングのアルゴリズムを訓練することで、バーチャルの倉庫内でロボットが自律走行する。ロボットに搭載したレーダーが周囲の環境を調べる。


Omniverse WarehouseでもNVIDIAと連携[クリックで拡大] 出所:アンシス・ジャパン

 さらに複雑な例として、街を飛行して測量するクアッドコプターを紹介した。レンジドップラープロットで目標までの距離を測定する。クアッドコプターと基地局のマルチチャンネルのワイヤレス接続もある。ウィリアムズ氏は「複雑な地形のシミュレーションにより、新しいアプリケーションが実現する例だ」と語る。


クアッドコプターの測量イメージ[クリックで拡大] 出所:アンシス・ジャパン
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