国家にも「貸借対照表」がある 日本の資産と負債を国際比較で見てみよう:イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(10)(1/5 ページ)
勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!
小川さん:学生時代アメフトで鍛えた、体育会系機械エンジニア&金属加工職人。経済統計に興味があり、趣味で統計データを共有する情報発信を続けている。ラーメン好き(現役時代よりも体重が増えていることは家族にないしょ)。
経済構造に詳しい古川さん: 元エリート銀行マンで、現在は起業しスタートアップの事業支援など、製造業を中心としたエコシステムの構築を進めている。大学の非常勤講師や、地域経済活性化のための委員なども務める。実は照れ屋。
(※)編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
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「正味資産」とは?
古川さん、前回は海外との関係や資金過不足について解説していただきました。
はい。海外まで含めて考えれば、それぞれの部門の資金過不足を足し合わせると、必ずゼロになるということでしたね。
なんとも不思議ではありますが、「お金」とはそういうものなのですね。
はい、それは今回ご紹介する「ストック」面でも明らかとなります。これまで解説してきたのは、あくまでも1年間の収支や変化などの「フロー」を表すものでした。これに対して、ストックとは期末時点の資産や負債、純資産などの残高を表すものです。
そうですね。国内総生産や、可処分所得、貯蓄、資金過不足などといった1年間の変化を示す指標について解説いただきました。
企業経営でもフローを表す損益計算書と、ストックを表す貸借対照表がありますね。SNAでも一国全体や、それぞれの部門のストックである残高を表す、期末貸借対照表勘定があります。
それはとても興味深いです!
早速、日本の状況を見てみましょう!
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