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企業が黒字になった分だけ家計の黒字が減る? 「資金過不足」の推移で確かめる:イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(9)(3/4 ページ)
勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!
プラスとマイナスの金額は全体で一致
国内部門の家計、企業、政府、金融機関、対家計民間非営利団体に加え、海外部門が出そろいました。これらの資金過不足を1つのグラフにまとめてみました。
プラスの総額とマイナスの総額が各年でピッタリと一致していますね。
良いところに気が付きましたね! つまり、各年で資金過不足を足し合わせると、必ずゼロになるのです。
本当だ! つまりお金が増える部門があれば、その反対側で同じだけ負債が増加する部門が存在するということですね。
はい。日本では1990年代まで、主に家計(青)の資産が増加し、一方で企業(赤)の負債も増えるという関係でした。しかし1998年から企業が黒字主体化して、その分、政府(緑)の純借入が大きく増えています。
なんだか企業が黒字になった分だけ家計の取り分が減っているようにも見えます。こういった関係性は、当たり前のことなのでしょうか?
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