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制御機器事業は減収を計画、2024年度も本格回復見込まず慎重に策定2023年度通期決算(1/2 ページ)

オムロンは2023年度(2023年4月〜2024年3月)の決算を発表した。

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 オムロンは2024年5月8日、オンラインで記者会見を開き、2023年度(2023年4月〜2024年3月)の決算の概要を説明した。

 2023年度の売上高は前年比6.5%減の8188億円、営業利益は同65.9%減の343億円だった。制御機器事業、電子部品事業の売り上げ、営業利益の減少が主要因となり大幅な減収減益となった。ただ、ヘルスケア事業、社会システム事業は大幅な増収増益となった。


オムロンの2023年度の業績[クリックで拡大]出所:オムロン

 セグメント別では、制御機器事業の売上高は前年度比19%減の3936億円、営業利益は同75%減の215億円だった。第1四半期は受注残を背景に安定的に推移したが、第2四半期以降は設備投資需要が低迷した。

 ヘルスケア事業の売上高は前年度比5.3%増の1497億円、営業利益は同15.3%増の185億円だった。欧州の血圧計需要や中国のネブライザー(ぜんそく用吸入器)需要が好調に推移した他、製品ミックスの改善や変動費のコストダウンを進めた。

 社会システム事業の売上高は前年度比32%増の1416億円、営業利益は同87.2%増の140億円だった。鉄道事業の需要回復に加え、エネルギーソリューション事業で拡大する市場機会を着実に捉えた。

 電子部品事業の売上高は前年度比17.6%減の1144億円、営業利益は同79.7%減の31億円だった。主に家電など民生向けの需要が停滞した。


セグメント別の2023年度の業績[クリックで拡大]出所:オムロン

 2024年度の売上高は前年比0.8%増の8250億円、営業利益は同42.7%増の490億円を計画する。

 セグメント別では、制御機器事業の2024年度の売上高は前年度比9.8%減の3550億円、営業利益は同28.1%増の275億円を見込む。下期から緩やかな市況回復を見込むものの、本格回復には至らないとして減収を計画した。オムロン 代表取締役社長の辻永順太氏は「2023年度の上期は受注残により売り上げが安定的に推移した。また、下期の需要回復を慎重に見ている」とその理由を話す。

「2024年度は、デジタル業界では半導体市況が回復する見通しだが、製造装置メーカーや代理店での在庫滞留の影響から下期以降での緩やかな受注回復を見込む。環境モビリティ業界ではEV(電気自動車)販売の減速に加え、2次電池領域においても欧米での投資再開が不透明なことから大花場改善を見込まない計画としている。注力業界以外でも、欧州や中国の設備事業の停滞が継続しており、回復の兆しが現時点では確認できないため下期の需要の立ち上がりも慎重に見ている」(辻永氏)


制御機器事業の売上計画の前提[クリックで拡大]出所:オムロン
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